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ミニマリストになりたし

おれ、欲張りなんだよね。

三畳の部屋に住んでみたい。
デスクセットと、ノートPCしかないような部屋。

部屋の中見回してみる。結論。四行目にして、詰んでます。

いやー、何これ。荷物が多いほう、とは思わないけどさ。「虚航船団」のハードカバーとか、いつ再チャレンジするっつーんだよ。カンオケにいれてもらって、あちらで読もうかな。

何が多いんだこの部屋。
服と本かな。
CDも捨てられないけど、ケースはソフトケースに移行したので、はしっこに鎮座ましまししてるね。

マンガは「よつばと」以外、処分した。「よつばと」はデジタル化されてないからね。
あとは読みたくなったとき、電子で集め直せばいいや、ってね。
なんかもうすでに、「寄生獣」を書い直してしまったけど……。(電子より安かった。。。

てかそもそも、藤子・F・不二雄大全集の入った段ボール箱たちが棚を埋め尽くしておりますね。
全部初板で、未読という。
まさかデジタル化するとはね。

毎月5000円近く払ってたけど、その金でビットコイン買っとくんだったぜ。
配送されたままずっと段ボール箱に入れっぱなしだから、虫のいい住処だね。
ドラえもん、なんとかしてよ。

1.まず寝る場所を

という前提は一旦忘れて。
おれ、何もない三畳の部屋で、どこでどうやって寝るつもりなのか。

しかもデスクセットを置いたら、二畳か。
藤子不二雄先生のお二人がトキワ荘で最初に住んだのが三畳の部屋だっけ。じゃあ寝れんのかな。
でもあのお二人、布団のイメージがないんよな。作業机と畳。畳に寝てるか、机に向かって作業してるか。

ストイックすぎる!

ミニマリストになるためにストイックになるって矛盾してるよね。うん。きっと矛盾でしょ。
所有物を極限まで少なくしたら、精神衛生的にも向上して、生活も豊かになるという話でしょ。

自慢じゃないけど、おれだって鉄のフライパンくらい持ってるから!

2.アイテム一種につき3個までのルール

というのを、決めとってね。

つまりさ、インナーは三着まで。
アウターは三着まで。
ズボンも三本まで。

っていうね。
結局欲しくて色々買っても、一週間は七日しかないし、
おれ花嫁みたいにバンバン衣装替えなんてしないし。

ずぼら人間には三つまで面倒見るのが限界だな、とあるとき気づいたんだよね。
これ、腕時計と革靴に熱中していたときに思うたんよ。

革靴を一週間の最後に、そんな四足も五足も磨いてられるかってね。靴は二日も寝かせればいいんだから。
腕時計もさ、何十本手に入れたとして、おれ、腕は二本だし、ケイスケホンダのように両手につけないし、あとオーバーホール地獄に陥るなって。

ところがだ。アウターも気づけば、コート三着、アウトドア着三着、ジャケット三着……おい、ちょっと待てと。
Tシャツにいたっては、インナー、アロハシャツ、ロンT、胸ポケット有無、……✕3まで、みたいな。

ズボンもジーンズとディッキーズはべつものだし、そこにスラックスとか入ってくるともうわからんし。

気づいたらさ、バンズのスリッポンだけで三足になってた。
ほら、紐がないから。紐があるやつも、三足ある。

本もねー。

捨てられないんだよな、付箋を貼った本が。

昔は本に付箋なんて貼らなかったんだけど。
最近、そうしてみたら。。

まずさ、読書量がみるみる減ってね。
おれ、半身浴しながら読むんだけど。うふん。付箋はれないの。

読み終わった本は、付箋でフサフサになっている。あのフサフサを捨てることは……。

いや、だっていつか読み返したいから付箋をはるわけじゃん。
それ捨てられるのかって話だよ

ミニマリストの人はどうしてるんだろう。付箋を貼らないのか。それとも付箋ごと捨てられるのか。後者だとしたら、おれとは根本的に何かが違う。

3.「ミリマリストにはなるな」

ジョブズの話をしないといけない。

ミニマリストの文脈で必ず出てくる男だ。毎日同じ黒いタートルネックとジーンズを着て、判断疲れを防いだ。持ち物を絞って、創造性に集中した。

でも待ってくれ。

ジョブズが作ったAppleの製品、見たことあるか。iPhoneの色展開、何色あると思ってるんだ。毎年新色が出て、パープルだのスターライトだのミッドナイトだの。AirPodsはProとMaxがあって、Apple WatchはシリーズとウルトラとSEがあって、ケースの素材だけで何種類あるんだ。

「選択肢を減らして判断疲れを防ぐ」と言いながら、消費者には無限の選択肢を用意する。

ジョブズ、お前もか。
だいたいあいつ、会社にたっぷりなんでもあったんじゃねーの。

で、ここまで言ってなんだけどさ。
ミニマリストにはなるな。

非常用持ち出し袋、用意しているか。

水、非常食、救急セット、懐中電灯、モバイルバッテリー、現金。ミニマリストを目指す前に、これだけは揃えてほしい。三畳の部屋に段ボール箱がどんと置かれることになるが、それは仕方ない。

おれはまだ用意していない。

藤子・F・不二雄大全集の段ボール箱が棚を埋め尽くしている部屋に、非常用持ち出し袋を置くスペースがあるかどうか、まず確認しないといけない。

ドラえもん、なんとかしてよ。

結論を言おう。

おれはミニマリストになれない。

でも、三畳の部屋への憧れは本物だ。何もない部屋で、デスクと、ノートPCと、必要な本だけがある生活。静かで、余白があって、頭がすっきりしている。

その憧れを抱えながら、今日もバンズの新作を調べてしまっている。

欲張りというのは、こういうことだと思う。三畳の部屋に住みたいと思いながら、藤子・F・不二雄大全集を全巻初版で揃えてしまう。それがおれだ。

ミニマリストへの道は、おそらく来世に持ち越しだ。

墓はいらねえ。

それがせめてもの、おれのミニマリズムだ。

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