窓全開の星空の下で
私は昔から女子特有の群れる事が苦手です
中学生の時はグループに属していた
ただそのグループはメンバーみんなそれぞれが
自分は自分という考えの個性が強い子が多かった
そしてみんなぞれそれをお互い理解している
それが心地良かった
みんな入っているクラブもバラバラだけど
お弁当を食べる時は一緒に食べる
普段私たちのグループに入っていない子も
いつものように一緒に食べる
行事ごとはグループ関係なくみんなで燃えた
運動会もみんなで優勝を勝ち取った
そんな自由な関係と距離感が好きだった
トイレに行きたい時は行きたい子だけで行く
一人の時は一人で行く。
と当たり前のことを書いてるけど
当時は大体周りの女子グループはみんなでぞろぞろトイレに行く。
女性は群れる生き物だから
仕方ないかもしれない。
ただ私はその光景を見て違和感を感じていた。
なので今までそういうグループとは無縁だった。
出会い
中学校2年の時に小学校も違うけど顔はお互い知っている
そしてお互い共通の友達もいると言う関係の子Uと友達になった。
何がきっかけか覚えていないけど
同じクラスにもなったことがなかったUと
初めて二人で話す機会があった
二人で歩きながらだったと思う
当時のその子が悩んでいた自分の父親の話を打ち明けられた
飲食店を営む板前のお父さんが酒癖も悪くて大変だと言うことを
私に打ち明けてくれた。
当時の私の家庭
うちの実家は昔から自営業を営んでいて
父が社長を務めていた
そんな大きい会社でもないが
会社を経営するということは今思うと
かなりのストレスもあっただろう。
当時会社がうまくいかなくなると
父は毎晩のように飲んでは暴れるようになっていた。
うちの父は酒乱だった。
私はいつも夜中に母に起こされ、間に入って母を守った
昼間見る父とは違う。
言葉も悪いし捲し立てるような言い方で母に迫る
暴力は振らない代わりに、机を叩いたり大声を出して怒鳴り出す
中学2年生の私はただただ怖かった。
昼間の父じゃない父の姿、言葉。
私は震える声で何か父を宥めるようなことを言っていた
必死に涙を堪えて震える声で暴れるのを止めていた。
毎日毎日、夜が来るのが怖かった
そんな日がしばらく続いた
誰にも言えなかった
いつも一緒に登校する友達にそんなことは言えなかった
今でも思い出すのも辛い出来事だった
大切な友
そんな辛い時期に出会ったUは同じ境遇だったからこそ
言葉にしなくても通じ合えた
お互いの家の悩みも気にせず打ち明けられた
それからUはさらに家庭環境が悪くなり
近くの親戚の家から学校に通っていた
そんな日々を過ごす中で
私たちは中学3年で初めて一緒のクラスになった
その子とは何か感性が似ていた
ある日、遊ぶ約束をしていて
Uが私の家に来て玄関を出ると
赤いガーベラだけで作られたシンプルな花束を持っていた
誕生日だから。と渡された。
あの時代に中学2年生でそんなプレゼントしてくれるなんて
なんて粋なことするんだろう
と今でも思う。
特に、おめでとうー!とか女子らしい言葉もなく普通に
渡された。
人生で初めて花束をもらった。
お花をもらうってこんなに嬉しいんだとその時初めて知った
それが関係しているのかわからないけど
その頃から私はお花が好きになった
今になってもあの花束をもらった時の喜びを忘れられない。
そのUとはずっと一緒にいた
ふざけ合い、いつも笑っていた。ずっと電話もした。
お互い進路が決まり
私の部屋で2人セーラー服のまま仰向けになって
窓を全開にして星空を見ながら色々なことを話した
ふたり仰向けになりながら見た
窓からの夜空は今でも忘れられない
個性的なUだった
関東の方にメイクの仕事に就きたいと
専門学校に行くことになり
夜行バスを見送ったあの夜
泣いて見送ったことを今でも覚えている
それから何十年
Uの居場所などはUのお父さんなどを通じて聞いた
どこどこに住んでるみたい
どこどこに引っ越したなど
ここ3−4年前
同窓会の話があり
たぶんUなら来ないだろうな。と思いながらも
メールを送ってみた。
予想通りの返信が返ってきた。
電話番号は知っているが
LINEは知らない。
らしいな。と思う。
今でもUらしい生き方をしているんだろうな。
Uが地元を離れてからは
頻繁に会うわけでもなく
連絡を取るわけでもない
でも私のことをよく理解してくれていた
私の結婚式はもちろん招待した
欠席とわかっていても招待した
控え室で進行の方に届いた祝電から
どれを読んだらいいか選んで欲しいと言われて目を通す
そこにUから祝電メッセージがあった
涙が止まらなかった。
本番前メイクしてもらったのに読んだ瞬間号泣してしまった
隣にいた旦那はびっくりしてた笑
“今でもあなたと過ごした日々が鮮明に蘇ります
いつも笑っていたあなただから素敵な家庭を築くことでしょう“
素敵な文章にやられた
辛い時この祝電を探して読んだこともあったな
もう会うこともないかもしれないけど
大切な友達
元気でいてくれたら
それでいい。
