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《短歌》  5月前半





風鈴の音のうちがわ影ゆれて月もゆれるのだれかしってる



擦り切れた小道の奥の貯水池にひねもす響く僕の泣きまね



梅雨明けとニュースが告げた朝 なにもはじまらない皮膚呼吸しおり



磨りガラスぐらいがちょうどいいんだよ きみの温度もぼかしてくれる



始発まで待ってたはずのぼくたちが気づかなかった廃線通知



立ちこめる靄 縁側に並べたら話をきくよ朝の亡霊



曲がり角照らす街灯 散開してく光子 羊水のおもかげ



この世に存在しない透明な水が 私の頭蓋通るおと



陽炎に拐かされて俺ひとり
八月三十二日の朝



梅雨明けと天気予報が告げた朝 初潮がきてもみぬふりしたね



漆黒のきみの殺意はうつくしい まざりあえない純水のごと



僕を呼ぶ声が聞こえた庭先の垣根があおい死ぬほどあおい



風のない星へ行ったらわたしたち皮膚がないままとけあっている



月の裏まで逃げたワケは巧妙にきみを模した海が深くて



風が止みきみがいまだと触れてくる ああそうだもう風しかないの



つかまえて。朝陽を浴びて芝生がはたと気づくまえの寝息 ひかり、







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