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《短歌》 4月分




折り紙が得意なきみは思い出の隅まで揃え畳んでしまう



階段の踊り場でした約束 昇ったきみと降りてく私



帰らずにたばこの灰が落ちる頃 プレイリストも灰皿に捨て



参道の奥にそびえる社へと手を合わすから昇らなくていい?



透けるチュール素材好き好き好き折り重ねた厚みからきみを見る



「デトックスが必要です」解毒しきってしまったらもはや誰なの



後悔は先に立たずと言うけれど先に貼ったよ「立ち入り禁止」



電話してただ黙ってる切らないできみの気配と沈黙を聴く



財布どこレジでリュックをかき回す後ろの人の手を追う視線




今日を終え埃が積もる。バスタブの水も溢れる。また今日になる。



きみという水滴が落ち僕のなかの波紋がきみを揺らしてしまう



キンキンのグラスの結露粗く滴る頃にふやけていく私




たんぽぽちぎって駆けていく—
舞い散る花、びらのうらにもき、みのかけら。




まっすぐに君が差し出す展開図 固結びの紐はなくていい



はじめましてとばいばいを結んでも
季節のように繋がらなくて



消えないよH2O雲と海 次の逢瀬は虹にしようか



コバルトの酸素が粘ついてきて夜の轍ごとモルタルで消す



ハイボールお局脇に一気に飲み干し泡と消えた人形姫



眠れずに夜を見上げて渇いてくきみ
月を絞って潤す



かくれんぼだったのかしらあくる朝きみは上手にいなくなってた



空に沈んだあなたから見えますか春の木漏れ日がわたしを焼く



「大丈夫?」「うん大丈夫、大丈夫」丈夫な心売ってるお店



大雨の打ちつける夜キッチンの唐揚げの音僕を隠して



ベランダで空を見上げる君の髪触れられるのに光を見てる



渦中でも案外わかるもんだから両手いっぱいさよなら抱え



空と海ニライカナイの交差する線にようやく陽が触れるとき



かけちがってるボタンが落ちる音できみは振り向く拾っちゃだめだ



ノーリスクノーリターンできみは死ぬ間際に何を振り返り見る




玄関に残る足音追い越した岐路で名曲が僕を侵す



音乾く床に転がるカルダモンほのかに香りだけが弾んで



宇宙からちょっと寄り道息ひそめ 大気圏では星の検閲



空を切る飛行機雲を追いかけた僕らのGPSが消えた



屋根弾き伝い落ちてく雨露うろの余波 明日を雨樋に流そうか



落ちるなら二人で同じ傘がいい滑りやすくて色鮮やかな



軒先で肌に一滴落ち消える かえれぬ雨に打ちよせる海



いつだって僕ら形をやめられる 表面張力の外へ、雨



アラームがなる前に目覚めた きみが何かこぼした夢の手ざわり



タイムマシーンがなくとも追いつけるからまだしなないであいしてる



地下深く化石ささやく 最後の涙つたう前に拭いたいと



湖の水を飲み終え。迂回したきみを待たず底へ下りてゆく。









追記:


読んでくださりありがとうございました。
たまに覗いてくださる方、ありがとうございます。




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