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愛知県一宮市の社会福祉法人は、なぜ6,657万円を返還したのか?16か月、ケアマネジャーは勤務表の中だけにいた

不正に手を染めたのは、施設を潰すまいとした人たちでした

減算は罰ではありません。事業所を守る、最後の安全装置です


愛知県一宮市の社会福祉法人が、6,657万7,597円の介護報酬を返還しました。長野県根羽村の特別養護老人ホームで常勤のケアマネジャーが不在のまま16か月請求を続け、一宮市のデイサービスでも看護職員の配置基準違反がありました。人が足りないこと自体は、全国の事業所の6割超が抱える日常です。それでも大半の事業所は隠しません。何が両者を分けたのか。人員基準欠如減算の仕組み、公表された返還額の内訳、一宮市で16年間に起きた人口の入れ替わり、そして明日から机の上でできる5つの手当てを、順に置いていきます。

セオドアアカデミー独自まとめ

名前だけが出勤していた

長野県根羽村の特別養護老人ホーム「ねばねの里 なごみ」で、常勤専従のケアマネジャーが2023年6月末に退職しました。介護老人福祉施設には介護支援専門員を1人以上置く決まりがあります。欠けたまま運営すれば、猶予期間の後は報酬が通常の70%になります。

法人が選んだのは、愛知県内の別施設に在籍する職員を、書類の上でなごみへ常勤専従として移す方法でした。第三者委員会の報告によれば、その職員が実際になごみを訪れたのは2023年7月と8月に各1回。村には常勤専従と記した変更届が出され、以後も毎月、勤務しているように勤務表と出勤簿が作られました。現実のケアマネジメントを担っていたのは、地元の非常勤ケアマネジャーです。

不正請求は2023年9月から2024年12月までの16か月に及びました。行政等への返還が3,384万5,076円、利用者の自己負担分の返還が392万9,595円。一宮市のデイサービスセンター「座・柿ノ木」でも看護職員の配置基準違反が判明し、1,823万7,150円などが返還されています。2025年度中に返還が完了した総額は6,657万7,597円と記載されました。

ここで数字を足してみます。3項目の合計は約5,601万円。総額との差は約1,057万円あります。報告書には行政、利用者、国保連合会などへの複数の返還が含まれると書かれていますが、確認できる範囲では、残りの内訳は開示されていません。報道の「約6600万円」はこの総額を丸めたものです。

社会福祉法人愛知慈恵会「第三者委員会調査報告書」(2026年7月10日公表)

今回概要まとめ図

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