「47都道府県にセンター」の次へ。2027年4月、医療的ケア児支援法改正が動かす「18歳以降・地域協議会・障害福祉計画」:社会保障審議会障害者部会(第158回)
「センターは47都道府県にある」の次に問われる、医療的ケア児等支援地域協議会という新しい装置 ※写真はイメージです
生活介護・短期入所・共同生活援助の見込み量に医療的ケア者が入る日、2027年度障害福祉計画の実務論点
2026年8月19日に持ち回り開催された社会保障審議会障害者部会第158回で何が確認され、その先にどんな実務論点が控えているのかを、資料1-1と改正法・附帯決議・こども家庭庁公表資料を突き合わせて読み解きます。改正法は2026年7月31日公布、2027年4月1日施行。対象は医療的ケア者と重症心身障害者まで広がり、支援センターは指定都市・中核市・特別区にも設置できるようになります。ここまでは制度の話ですが、事業所と自治体にとっては生活介護、短期入所、共同生活援助の必要見込量、コーディネーター配置、災害時対応まで、動く実務がかなりあります。

第158回社会保障審議会障害者部会は、2026年8月19日、持ち回り開催で1つだけ議題を扱いました。
「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の改正を踏まえた基本指針の改正等について」です。
持ち回りなので、対面での議論の応酬は見えません。厚生労働省の資料1-1と資料1-2で、改正法の内容と、それを障害福祉制度側へどう落とすかの方向性が示された、そういう会議でした。
議題が1つだけ、しかも持ち回り。ここが最初のポイントです。
議論の場ではなく、確認の場だった、と読むほうが正確です。
改正法自体は、2026年7月31日に公布されています。参議院の附帯決議は7月22日、衆議院の附帯決議は7月10日。8月19日はその後です。つまり議会側の議論も、法律の骨格も、すでに動いている。
障害者部会はそれを基本指針・施行令へ実装する段階に入りました。
「18歳の壁」を法律の題名から書き換える
改正後の法律名は、「医療的ケア児等及び重症心身障害者並びにそれらの家族に対する支援に関する法律」に変わります。これは象徴的です。
2021年に成立した現行法は「医療的ケア児及びその家族」でした。児童福祉の色が濃かった。改正法は、①医療的ケア児、②医療的ケア児であった者で日常生活と社会生活を営むために恒常的に医療的ケアが不可欠な人、③日常生活と社会生活を営むために恒常的に医療的ケアが不可欠で、それにより自立した生活が困難な人、をまとめて「医療的ケア児等」と定義し直しました。これに重症心身障害者、つまり重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している人が加わります。
基本理念の3条3項には、18歳に達した後等も切れ目なく適切な保健医療サービスと福祉サービスを受けながら、希望する地域で日常生活と社会生活を営めるようにする、と書き込まれます。
ここまでを一言でいうと、子ども中心の枠組みを、18歳以降と重症心身障害者まで開いた、ということです。
ただし、法律の題名を広げることと、地域に受け皿があることは別問題です。ここが本記事の中心です。
数字が抱えているねじれ
こども家庭庁が2026年8月時点で示している資料によれば、在宅の医療的ケア児は、2005年約9,987人、2015年約17,209人、2025年約21,496人と推計されています。20年間でおよそ2.15倍です。
ここで気をつけたいのは、この21,496人という数字が、今回の改正法の対象者数ではないという点です。
これはあくまで0歳から19歳を中心にした「医療的ケア児」の推計。改正法で新たに支援対象へ加わる成人期の医療的ケア者、重症心身障害者の全国母数は、この数字とは別に把握し直す必要があります。
資料1-1と2-1の並びをそのまま読むと、対象拡大の話と、既存の医療的ケア児推計が近接して置かれているため、両者を同一視してしまいがちです。今回、地域で計画を立てる自治体にとって最初に必要になるのは、この母数の把握です。母数がないと、生活介護、短期入所、共同生活援助の必要見込量に医療的ケア者を反映するといっても、分母が抜けたまま計算することになってしまいます。
今回概要まとめ図
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