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コンサルが病院を"建てさせない"理由。日本経営グループという黒子の正体:医療病院建て替え需要をどう獲得するか?

平米単価44.2万円・過去最高の病院建設費、その前に立つ会社が売上200億超の日本経営グループだった件


日本経営グループは、医療・介護・福祉分野に特化した国内最大級のコンサルティングファームです。病院の建て替え構想から税務承継、SaaS開発まで手がけますが、その本当の姿は「医療福祉の意思決定インフラ」です。建設費が歴史的に高騰するいま、なぜ彼らの存在感がさらに増しているのか。病院に物を売りたいメーカーや卸会社にとって何を意味するのか。25年以上の業界経験から、この会社の構造と戦略を多面的に読み解きます。

セオドアアカデミー独自まとめ

1967年の税務会計事務所が、なぜ「医療福祉の参謀」になったのか

起点は、1967年に創業された菱村総合税務会計事務所です。当時、医療や福祉の現場に「経営」という概念はほとんど存在しませんでした。病院は治療する場所であり、介護施設は措置の場所でした。損益を語ること自体、どこか場違いに映る時代でした。

そこへ「経営の視点」を持ち込んだのが、この会社の出発点です。1980年代からヘルスケア特化型のコンサルティングへと軸足を移し、1999年に株式会社日本経営を設立。2026年1月時点でグループ社員数767名、関連会社等を含めると2,216名規模のファームに成長しています。

グループ全体の売上規模は200億円を超えており、約400件の病院、約100件の社会福祉法人、約1,300件の診療所、約1,100件以上の企業と取引があります。非上場で財務の詳細は公開されていませんが、医療福祉特化型コンサルとしては国内トップクラスの規模感です。

興味深いのは「10年以上赤字決算がない」という実績です。医療・介護業界は診療報酬・介護報酬の改定に揺れ、政策リスクが高い。それでも安定して成長を続けてきた。その理由は、後で見る「上流を握る」構造にあります。


「コンサルが病院を建てさせない」という逆説

病院の建て替えを考えるとき、多くの院長は直感で「何床くらいにしよう」「あのゼネコンに頼もう」と動き始めます。ところが日本経営は、その直感を止めにかかります。

なぜか。病院建設は、間違えれば「建物が完成した瞬間に赤字病院になる」からです。

たとえば、ある地域で200床の急性期病院を建て替えようとする。建設費の見積もりが出た。借入総額75億円。でも地域の人口は2040年にかけて減少トレンドに入る。20年後、その病床は半分しか埋まらないかもしれない。その場合、75億円の借入金を返せるか。

日本経営はこの「返せるかどうか」を、データで計算します。地域の将来患者数予測、病床機能の適正規模、収支シミュレーション、キャッシュフロー計画。これが彼らの言う「基本構想策定」の中身です。

福祉医療機構が2025年7月に公表した2024年度の調査によると、病院の建設費平米単価は44万2,000円で、前年度から3万1,000円上昇し過去最高額を更新しています。2015年度比で1.5倍に増加しており、2024年度は2010年度の調査開始以来で最高額を記録しました。

この数字が意味するのは、投資額の膨張です。200床の病院を建て替えれば、数十億から百億円規模になる。その規模の借入が本当に返せるのか、建設会社では判断できません。設計事務所も同様です。だから病院側は「経営の設計図」を描いてくれる会社を必要とする。そこに日本経営の市場が生まれます。

建設費が高騰すればするほど、正確な収支計算の価値が上がる。これが「逆説」の正体です。コンサルが病院を建てさせないのではなく、「建てても返せる規模と機能にする」ために、コンサルが最初に入る。建設費高騰の時代は、まさにこの会社の追い風です。

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