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後援会名簿がExcelで3つ。その気まずさの正体と、片づけ方

パソコンの「後援会」フォルダを開くと、よく似た名前のファイルが並んでいる。「後援会名簿_最新.xlsx」「名簿(選挙用)_確定版.xlsx」「年賀状2024.xlsx」。どれを開けばいいのか、一瞬迷う。迷って、結局いつも開くファイルを開く。

この小さな迷いを、あなたは何度くり返してきたでしょうか。

◆ 名前が、出てこなかった

後援会の集まりの受付。久しぶりに顔を出してくれた方に「あら、ご無沙汰してます」と声をかけられる。顔は分かる。分かるのに、名前が出てこない。とっさに「その節はどうも」とごまかしながら、頭の中では手元の名簿を必死にめくっている。出席の名簿には載っていない。会費の名簿の方に、去年の住所のまま、その方の名前があった。

あの一瞬の気まずさを、うまく言葉にできる人は少ないと思います。相手はこちらを覚えていてくれる。それも、応援する気持ちとセットで。なのにこちらは、名前すら曖昧。申し訳なさが、その日ずっと後を引く。

議員という仕事は、人の顔と名前を覚えていることが、そのまま信頼になります。だからこそ、それがあやふやになる瞬間は、ただの物忘れでは済まないのです。

◆ 案内状が、遺影の前に届いた

もっとこたえるのが、宛先の取り違えです。

総会の案内をいつものように送った。数日後、ご家族から電話がかかってくる。「主人は、昨年亡くなりまして……」。受話器を持ったまま、頭が真っ白になる。3つある名簿のうち、喪中を反映していたのは1つだけ。そして、宛名の差し込みに使ったのは、よりによって反映していない方のファイルだった。

悪気はない。むしろ、丁寧にご案内したつもりだった。それが、いちばん失礼な形になって届いてしまう。こういう事故は、名簿が1つに揃っていない事務所では、数年に一度は必ず起きます。私が見てきた範囲でも、決して珍しい話ではありませんでした。

◆ なぜ、名簿は3つに増えるのか

そもそも、どうして名簿は分かれてしまうのでしょう。

たいてい、増え方は同じです。最初の選挙のとき、時間がない中で急いで作った「選挙用」。当選して少し落ち着いてから整え直した「後援会用」。そして年末になると引っぱり出す「年賀状用」。どれも、その時々でちゃんと必要があって作ったものです。

やっかいなのは、この3つが「少しずつ正しい」ことです。年賀状用は、宛先が戻ってくるたびに直してきたから、住所がいちばん新しい。選挙用には、後援会用にはない携帯番号が入っている。会費名簿には、もう使っていない固定電話が残っている。同じ方が、結婚前の旧姓のまま、別の行にもう一度載っている。

どれか1つが「正解」なら話は早い。でも現実は、正解が3つに割れて散らばっている。だから、統合が難しく感じるのです。

◆ 「あとでやろう」のまま、名簿が古びていく

3つあると、更新が止まります。

新しい連絡先を聞いても、どのファイルに書けばいいのか分からない。全部に書き写すのは面倒。だから、とりあえずメモ帳に走り書きして、そのまま。「いつか1つにまとめて、そのときにちゃんと直そう」——そう思ってから、半年、一年。

名簿は、更新されないと静かに古びていきます。生きているように見えて、中身は少しずつ現実とずれていく。引っ越した人、亡くなった人、支援をやめた人、新しく応援してくれるようになった人。その一つひとつが反映されないまま、名簿だけが去年の姿で止まっている。

◆ 本当につらいのは、Excelが3つあることではない

ここまで読んで、「そうそう」とうなずいてくださった方に、少し踏み込んだ話をさせてください。

3つのExcelを1つにまとめる手間。それ自体は、正直たいした問題ではありません。半日あれば終わります。本当につらいのは、その奥にあるものです。

名簿が信じられないと、「自分の支援者を、自分がもう把握できていない」という後ろめたさが、じわじわと積もっていく。あの人に何をお約束したか。あのご家族と、どんな話をしたか。一人ひとりの顔と、その人と交わした約束が、ファイルの分裂と一緒に、少しずつぼやけていく。

名簿の分裂は、支援者との関係の分裂を映す鏡なのだと思います。片づけたいのは、たぶんExcelではなくて、この後ろめたさの方なのです。

◆ 完璧を目指さなくていい。まず「1枚に集める」だけ

だから、身構えないでください。いきなり完璧な名簿を作る必要はありません。

名簿統合の原則は、たった一つ。きれいにする前に、まず全部を1枚に「集める」こと。削除や整理は、集め終わってから、落ち着いてやればいい。むしろ、いきなり消そうとするから失敗するのです。

◆ 重複の判断だけ、代わりにやってくれる道具もあります

とはいえ、正直に言うと、この後の「重複に印を付ける」作業——同じ方が2回3回出てきたとき、どちらを残すか自分で決めること——が、いちばん骨の折れるところです。ここで手が止まって、統合作業が「あとで」に戻っていく事務所を、私は何度も見てきました。

私たちが作っている「センタイ」は、地方議員・候補予定者向けに、後援会名簿をクラウド上で一つにまとめるサービスです。ExcelやCSVを取り込むと、重複候補を自動で見分け、「新規・更新・スキップ」を確認してから確定できます。統合後は、住民相談や対応履歴もその人の名簿につながるため、「連絡先を置く箱」ではなく「誰と何を話し、何を報告すべきかが分かる名簿」に育てられます。

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センタイ名簿機能

とはいえ、いきなりツールを入れるのに抵抗がある方や、まずは自分の手で今の3つを片づけたい方も多いはずです。その方のために、Excelだけで進める手順もこのまま書いておきます。

【手順1】原本をコピーする(これが命綱)

3つのファイルをすべてコピーして、「統合前バックアップ」という名前のフォルダに入れます。作業は必ずコピーした側でやる。元のファイルは、何があっても触らない。この一手間が、後で「しまった」を防ぎます。

【手順2】列の名前だけ揃える

3つのファイルの1行目を見比べると、「氏名」「名前」「お名前」と呼び方がバラバラのはずです。これを揃えます。最低限、次の5つがあれば足ります。

・氏名
・ふりがな
・住所
・電話番号
・出所(今回あたらしく作る列。中身は空でOK)

【手順3】縦につなげて「出所」を書く

揃えた3つの表を、1つの新しいファイルに上から順に貼り付けます。このとき「出所」の列に「選挙用」「後援会用」「年賀状用」と、その行がどのファイルから来たかを書いておく。同じ方が2回3回出てきますが、それで正解です。まだ、消しません。

【手順4】重複に印を付ける(消すのは最後)

Excelの「条件付き書式」→「重複する値」を氏名の列に設定すると、2回以上出てくる名前に色が付きます。色の付いた行を上から見て、残す1行を決め、消す行には「済」と印を付けるだけ。判断の目安は、①電話が入っている行を残す、②住所が新しい行を残す、③迷ったら両方の情報を1行に寄せる、の順です。

全部見終わってから、最後にまとめて削除します。削除の直前に、もう一度ファイルをコピーしておくと安心です。

つまずきやすい3つ

・旧姓で2人になっている……氏名だけ見ると別人。ふりがなと住所で気づけます
・住所だけ新しくて電話が古い……「どの列が正しいか」はファイルごとに違うと知っておく
・携帯と固定で別人扱い……電話番号だけで重複を探すと、この2人は一生統合されません

◆ よくある質問

Q. 何件くらいまでなら、Excelのままで大丈夫ですか?
A. 私の感覚では500件が目安です。それを超えると、重複のチェックや世帯のまとめが、手作業では追いつかなくなってきます。

Q. 家族に手伝ってもらってもいいですか?
A. 作業自体は問題ありません。ただ名簿は個人情報のかたまりなので、作業用のコピーをUSBやメールで渡すのは避けて、同じパソコンの前で一緒にやるのが安全です。

Q. 統合は、どのくらい時間がかかりますか?
A. 3ファイル・合計800行で、慣れていない方でも半日弱です。手順3まで(集めるだけ)を初日に、印付けを別の日に、と分けると気が楽です。

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ここまで読んで、「まずはExcelで片づけてみよう」と思えたなら、それで十分です。一方、重複確認や今後の更新まで一人で抱えるのが重いと感じた方は、センタイに今のExcelを取り込んで試せます。元データは残したまま進められ、合わなければ名簿をCSVで持ち出せます。

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