ドラマ『良いこと悪いこと』は、考察が好きな人もそうじゃない人も、どちらも楽しめる作品だと思います
いわゆる考察系ドラマはここのところ積極的に観てこなかった気がしますが、ドラマ『良いこと悪いこと』はW主演の間宮祥太朗と新木優子というのに惹かれて観てみました。
そもそも「同窓会」と「タイムカプセル」というキーワードは、ドラマによくありがちなようにも思えます。
でも自分自身に照らし合わせてみると人生において興味をそそられるものでもあり、この2つのキーワードが上手くかみ合って謎が深まっていくストーリー展開はよくできていると感じています。
「学校創立50周年を迎える2025年に、みんなでタイムカプセルを掘り起こそう」…。
間宮祥太朗演じる高木将は、東京郊外で小さな塗装会社を営む34歳。地元で家業を継ぎながら、2歳年上の妻と小学4年生の娘を養う普通のパパです。
小学生の頃はクラスのリーダー的存在で、みんなの憧れの的。みんなから"キング"と呼ばれていました。
約束のタイムカプセルを掘り起こすため、22年ぶりに母校に集まった元6年1組の面々。
高木と仲の良かった水川かたまり演じる武田敏生、剛力彩芽演じる専業主婦の土屋ゆき、稲葉友演じる美容師になった豊川賢吾、工藤阿須加演じる居酒屋を経営する桜井幹太、藤間爽子演じる学級委員長だった小林紗季…。懐かしいクラスメイトとの再会でした。
そしてみんながこの日会うのを一番楽しみにしていたのが、新木優子演じる猿橋園子。美人記者としてテレビや雑誌で大活躍の園子に、みんな興味津々でした。
タイムカプセルに入っていたのは、22年前に描いた「みんなの夢」の絵。それぞれが、自分の描いた絵を見て懐かしんでいました。
桜井は「消防士」の絵、武田は「空を飛ぶ」絵。「高木くんは何描いたの?」 と聞かれた高木は慌てて絵を隠しました。「ヒーロー」の絵だと思われます。
誰が入れたのか、タイムカプセルの中には卒業アルバムが1冊ありました。何気なく6年1組のページを見た高木は驚愕します。高木を含めた6人の顔写真が、黒く塗りつぶされていました。
「なぜこの6人が?」と首をかしげる一同でしたが、高木だけは塗りつぶされた6人の共通点に心当たりがありました。
同窓会の夜、武田が何者かに突き落とされてマンションから墜落死。その後桜井は自分の店の居酒屋で火災に巻き込まれ、意識不明の重体に…。2人とも22年前に描いた、「将来の夢の絵」 になぞらえる形で被害に遭っていました。
黒く塗りつぶされた6人は、実は転校生だった園子をいじめていました。園子を閉じ込めて「♪どーこにいるのはどーの子だ!」と口々に言いながらドアを叩き、園子はそのトラウマで閉所恐怖症に…。
高木は園子がいじめた自分たちを恨んで復讐していると予想しましたが、園子は自分は犯人ではないと主張します。確かに桜井が襲われたとき、園子は高木と一緒にいました。
「これ以上あなたたちの誰かに死なれちゃ困るんです」
「なんだよ、それ」
「武田さんが死んだとき、私思ったんです。嬉しい、ざまあみろって。でも誰かが死んで喜んだら、それは私が悪い子みたいじゃないですか。私はあなたたちみたいな悪い子にはなりたくないと思って、努力してきました。努力して、努力して、努力して…。自分の人生を変えてきたんです。あなたには絶対に分からない。私がどんな苦しい思いをしてきたか。私は許しません。私をいじめたあなたたちも、私のいじめを利用しているこの事件の犯人も。絶対に許さない。高木さん、一緒に終わらせませんか?」
こうして高木は、事件を追うために園子と協力することにします。園子は、可能な限りクラスメイトの近況を調べ上げていました。
「これは、私によるいじめへの復讐に見立てた犯行…と考えるのが妥当です。犯人は私へのいじめを知っていて、タイムカプセルと絵を利用できた人物。つまり、クラスメイトの可能性が高い。この中の誰かが、あなたを恨んでるんです。私以外の…誰かが」
残る標的は、高木を含む4人。みんなに一刻も早く危険を知らせようとする高木と園子は、そのうちの1人松井玲奈演じる中島笑美と連絡を取ることに成功します。
いつもニコニコ笑顔で、“ニコちゃん”と呼ばれていた笑美。アイドルになるのが夢で、笑美は「スポットライトを浴びるアイドル」の絵を描いていました。
今は六本木のクラブでホステスをしながら派手な暮らしを楽しむ笑美は、園子をいじめたことを園子に謝罪しますが…。
「ホント、変わらない。謝って楽にならないでください。謝ったら、許してもらえるって思ったんですね。『あの時はごめんね』『ううん、全然いいんだよ』って。おめでたい。ホント…。無理ですから。許すなんて」
園子にとっては、本当に22年前のいじめが心の傷になっているんですね。
一方その頃、園子の同僚・深川麻衣演じる東雲と秋谷郁甫演じる松井は、スクープを狙って違法薬物の元締めの行方を追っていました。実はそれは、笑美の彼氏でした。
「そりゃさ、俺たちのやったこと、なかったことにはできないよ。けどみんな、それなりに必死こいて生きてんだよ。忘れてたり、反省してなかったり、まぁ善人とは言えないかもしれないけど、それでも何かに苦しんだり、傷ついたり、必死こいて生きてんだよ。俺が言っても、意味ないだろうけど」
園子に思いの丈をぶつける高木でしたが、園子の心はまだ頑なでした。
高木は園子の週刊誌が彼氏を追いかけていることを笑美に伝え、武田と桜井の件は偶然ではないかもしれないから、とにかく気をつけるようにと忠告します。
笑美の彼氏の開催するイベントに東雲と松井と一緒に訪れた園子は、帰り際に笑美から声をかけられます。
笑美は彼氏と違法薬物が一緒に写った写真のデータを園子に渡し、自分は園子のように変われなかった…努力できなかった…どこで間違えたのか…と寂しげにつぶやきます。
「それでさ。こらしめてよ。悪い奴ら」
そう言い残して笑美は、園子の元から去って行きました。
一方高木の元に現れたのは6人のうちの1人、森本慎太郎演じる小山隆弘・通称"ターボー"でした。小山はアプリ開発を行う会社「TURBO inc.」の社長を務め、アメリカから新規事業の会見のために日本へ帰国していました。
桜井から卒業アルバムのことや、同窓会のことなどを聞いたと言う小山。「まさか、ひんちゃんがな…」
そこで小山が口ずさんだのが、小山が作った6人の名前が入った替え歌でした。
♪あるひんちゃん
もりのなカンタロー
くまさんニコちゃん
であっターボー
はなさく もりのみちょんまげ
くまさんにであっタカキング
自分は宇宙で殺されるのかと笑い、高木にも気をつけるように言って小山は帰って行きました。
この替え歌を口ずさんだ高木は、ふと気がつきます。替え歌に登場する順番で狙われていることに…。
「次、狙われるのは"ニコちゃん"だ!」
高木が園子に笑美を探してほしいと電話した直後、笑美は誰かに突き飛ばされてトラックにはねられて亡くなりました。自分の描いたスポットライトが当たるアイドルの絵のように、雨の中道路に横たわり街灯に照らされながら…。
3人目の犠牲者になってしまった"ニコちゃん"。警察は単なる交通事故として処理しますが、高木と園子は「こんな偶然があるかよ。やっぱり自分たちでやるしかない」と、警察の判断に納得できず…。
替え歌の順番に気づいた高木は「次に狙われるのは、多分"ターボー"だ」と。しかし園子は「あなたが忘れていた歌を覚えていて、たまたま日本に帰国…」と、小山に疑惑の目を向けます。
高木は「"ターボー"も狙われてんだろ。アイツなワケないだろ」と否定するものの、「そう信じたいだけじゃなくて?」と園子に言われて返す言葉がありませんでした。
園子の調べでは″アプリ業界の革命児″と呼ばれる小山には黒い噂が絶えず、目的のためなら手段を選ばない男のようです。園子は、小山への疑いをますます強めます。
高木は小山が犯人のはずがないと思いつつも、 園子に言われるまま小山に会って探りを入れます。
「俺は、アイツらの中に人殺しがいるとは思えない」
「えっ?」
「キングだってそうだろ?」
「いや…それは」
「誰にそそのかされてんだよ。一人じゃあそこまで調べられらんないだろう」
「まぁ…」
「猿橋園子…あの6人は、猿橋園子…"どの子"をいじめてた」
「覚えてんだ」
「覚えてるよ、ハッキリと。そりゃ恨まれても仕方ねぇよな。だけどそれを今さら…殺しますよ、はいそうですかとならないだろう。俺たちで止めないと」
「違う」
「えっ?」
「アイツじゃない」
「何言ってんだよ」
「いや…アイツは、"カンタロー"が襲われたとき、一緒にいた。だから不可能なんだよ。それに今俺と一緒に…」
「やっぱりアイツなんだな。今有名な記者なんだって?簡単にだまされすぎだっつうの
いや、ホントに違うんだって
いじめられてたどの子が、俺たちに復讐してる…。なんでこんな簡単なことが分かんねぇんだよ」
「アイツは、そんなことするはずない。いや、上手く言えないけど。猿橋園子は、必死にもがいて、自分を変えようとしてきた…。だから、復讐するはずないと思う」
「"どの子"を信じて、他の仲間を疑うのかよ」
「いや…」
「単純すぎなんだよ、お前は。アイツに何言われたか知らないけど、お前も狙われてんだからな。それでもアイツと仲良くしたいんだったら、勝手にしろ」
「"ターボー"、気をつけろよ」
こうして、物別れに終わってしまった2人でした。
高木は行きつけのレトロスナック「イマクニ」で、小山との"絶交話"を店主の戸塚純貴演じる今國たちに聞いてもらいます。
戸塚くんのコミカルな演技も、このドラマのいいスパイスになっています。…が、どうやら高木たちと同い年らしく、今國も怪しく感じてしまいます。
自分たちとの友情より塾を優先する"ターボー"が、当時の高木は許せなかったから"絶交"という子ども時代らしいエピソード…。でもなんとなく、今でもその"絶交"を引きずっている高木でした。
園子は小山に記者として取材をしますが、途中から話は同級生連続殺人事件へ…。実は小山に、匿名で武田の事件現場の写真が送られてきていました。犯人しか撮影できない無残な死体の写真…。それを見たら、慌てて小山が日本に帰って来ると思ったのではないかと…。
まるで園子が犯人かのような口ぶりの小山でしたが、園子の言葉を聞いて高木が言っていた通りだと謝罪します。
「あなたもあの人もホント、バカ。何も変わってない」
「はっ?」
「私がどんな気持ちでいたか…。20年経った今も、私はあなたを恨んでいます」
「じゃあ、やっぱり」
「だけど絶対に殺さないし、死なせない」
「どうして?」
「あなたたちとは違うからです。誰かの不幸や、苦しむ姿を見てケラケラ笑える…あなたたちみたいな悪い子とは違うからです。いつまでも変わらない、変わることができないあなたたちとは違うんです」
「"キング"の言う通りだわ。疑って悪かった。でも"キング"を巻き込むのはやめろ。アイツ、バカだから。自分が狙われてんのに、そういうの関係なしに動くから。事件のことだったら俺が協力する。いや、させてほしい」
「あなたも狙われてるんですよ。分かってますよね?皆さん絵の通りに殺されてる…。もし犯人がその宇宙の…会見の内容を知っていたら」
「大丈夫…っていうか、これだけは絶対にやめない」
「どうして?」
「約束したから、アイツと」
意識不明だった桜井が目を覚まし、高木は会いに行きます。疲れて仕込み中に寝てしまったらしく、犯人については目撃していない様子。
"ターボー"は、"キング"のことを心配していたと桜井は言いました。無茶なことをさせるなと、桜井は小山に言われたそうです。自分に直接言えばいいのにと高木がつぶやくと『"キング"とは絶交しちゃったから』と、小山が言っていたそうです。ずっと後悔していた…絶交したことも、謝らなかったことも。
"ターボー"は本当は受験なんかしたくないし、"キング"と同じ中学に行きたいと言っていたそうです。でも「宇宙飛行士になる」と高木と約束したから、勉強していい大学に行って宇宙に行くんだと…。桜井は「早く仲直りして来いよ」と高木に言いました。
園子は高木に「小山さんが危険です」と電話をし、今日の会見は宇宙に関する新サービスなので中止させようとしたけれどダメだったと…。
高木も園子と一緒に小山の会見会場に入り、状況を見守ります。
「ここまで来るのは、決して簡単な道ではありませんでした。ただしこれは、幼い頃からの夢であり、そして私の親友との約束でした。あれから時が経ち、大人になると大きかったはずの夢がいつの間にか小さくなっています。だけど、忘れちゃいけない。あの頃の私たちは、きっと今の私たちを見ています。どんな大人になってるのか?そして、なりたい大人になれてるのかを。私はあの頃の私に胸を張っていられるように、皆さんを想像を超える世界にお連れします!」
高木の存在に気づいたターボーの、高木への仲直り宣言のようにも思えました。小山の想いを知った髙木も、感無量の表情に見えました。
会見は無事に終わったものの、その後小山は囲み取材へ。高木と園子は引き続き様子をうかがっていましたが、天井から落ちて来た何かのカケラが肩に当たった高木は、天井から落ちてくる巨大なガラス板の存在に気づます。
髙木は「"ターボー"!」と大声で叫び、間一髪ターボーの命を救いました。
割れたガラスの破片で2人とも軽いケガをしたものの、なんとか無事でした。
警察の事情聴取で小山はこれは事故ではなく、同級生も立て続けに襲われていると訴えますが取り合ってもらえません。この警察のあくまでも事故扱いも、ちょっと疑問だったりします。
その後2人は「イマクニ」で飲み、正式に仲直りを果たします。男同士の友情、なかなかジーンときましたよ。
次のターゲットと思われるのは、森優作演じる羽立大輔・通称"ちょんまげ"。羽立はニートで、園子も詳しい現状は把握できていません。
羽立は小山が狙われた時の写真を、パソコンでながめていました。次は自分の番だと気づいて怯えているのか…?
あなたは、いい子ですか?
わるい子ですか?
同窓会で集まった、小学校の同級生。 タイムカプセルから出てきたのは、6人の顔が塗りつぶされた卒業アルバム。
そしてはじまった、同級生の不審死。一体誰が、なんのために?事件を止めるため動き出した2人の同級生。 しかし彼らにも秘密があり…。
容疑者は同級生。 真犯人は誰だ?ノンストップの考察ミステリー。
園子がしょっちゅう"悪い子"という言葉を口にしますが、〈あなたは、いい子ですか? わるい子ですか?〉というのが密かなキーワードになっているような気もします。
6人のうち4人がすでに狙われて、うち2人が死亡。残る羽立と高木の命はどうなっていくんでしょう…。
クラスメイトの他にも怪しい登場人物たちがたくさんいて、次にどんな事件が起きて真犯人がどんな風にこれから明かされていくのか、展開が非常に気になります。
まだ3話までなので、今からでも十分間に合います(笑)。ドラマ『良いこと悪いこと』は、考察が好きな人もそうじゃない人も、どちらも楽しめる作品だと思います。
