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「ドイツで品質の高い辛口ワインが作られている」とは?

先週金曜日に引き続き、「ゼロからスタート!ソムリエ試験 1冊目の教科書」の「ドイツの品種」を読んでいると、またしても新しい疑問が。

疑問が生じた箇所

昨今ではピノ・グリやシャルドネなどのフランス出身の品種から、品質の高い辛口ワインがつくられるケースが増えていることも見逃せません。その背景に地球温暖化があることは間違いないでしょう。

「ゼロからスタート!ソムリエ試験 1冊目の教科書」

疑問①:品質の高い辛口ワインとは?

疑問②:辛口ワイン=糖度が低いワイン=糖度が低いブドウから作られたはず?糖度が低いということは熟してない=寒い地域で採れたブドウなのでは?地球温暖化が影響している理由がわからない。

順番に見ていきます。


疑問①:品質の高い辛口ワインとは?

品質の高い辛口ワインと言われると、自分がまず想像するのは、

  • ブドウ自体の希少性が高いワイン

  • もしくは、万人に「美味しい」と思われるワイン

あたりです。

ブドウ自体の希少性が高いということは、ブドウの収穫量が少ない=1本の樹あたりの房の数が少なくて、そのぶん一房一房がしっかり栄養を吸っているイメージ。
つまり、甘さと酸のバランスがとれた“中身の詰まったブドウ”ができて、結果的にワイン自体の品質も高くなって、万人に美味しいと思われるワインになるのかな?と、なんとなく考えていました。

この仮説を持って調べてみると、「品質の高い辛口ワイン」という言葉の裏には、だいたいこんな条件が隠れていることが見えてきました。

ブドウの段階で

  • きちんと熟していて、糖度も香り成分も十分に乗っている

  • それでいて、冷涼産地らしいきれいな酸も残っている

つまり、「完熟しているのに、酸もしっかりある」という、かなり欲張りな状態のブドウです。

ワインになったあとで

そのブドウを、辛口と呼ばれるところまでしっかり発酵させても、

  • アルコール度数がそこそこあり、水っぽくない

  • 果実味の“香り”や“厚み”は感じられるのに、舌の上にはベタっとした甘さが残らない

  • 酸だけが浮かず、全体としてバランスよくまとまっている

「この逆の状態=品質が高くない辛口ワイン」であり、文脈からすると地球温暖化の影響を受ける前は、ドイツではブドウの段階で熟しておらず、糖度が低く、結果的に香りや厚みがなく酸だけが浮いた辛口ワインが流通していたのでしょう。(調べてみたら実際にそのようだった)


疑問②:辛口ワイン=糖度が低いワイン=糖度が低いブドウから作られたはず?糖度が低いということは熟してない=寒い地域で採れたブドウなのでは?地球温暖化が影響している理由がわからない。

ここまで読むと、実は疑問①の答えが、そのまま疑問②の答えになっていることに気づきます。

辛口ワインは、必ずしも糖度が低い・高いどちらかのブドウから作られるわけではありません。むしろ甘さと酸のバランスを考えると、糖度が高いブドウから作った方が、味わいのバランスが取れた美味しい辛口になるんです。

ワインの甘口・辛口は、

  • ブドウがどれくらい熟して糖度があるか(素材の側)

  • その糖を発酵でどこまでアルコールに変えるか(造りの側)

この2つで決まります。

温暖化の影響で、ドイツでも「ちゃんと熟した糖度の高いブドウ」が取れるようになったことで、そのブドウを辛口まで発酵させても、酸・アルコール・果実味のバランスが取れたワインが作りやすくなった。その結果として、「品質の高い辛口ワイン」が増えた、というわけです。

糖度が高いブドウから辛口を作ると、アルコール度数も上がる?

じゃあ実際に、ハイアルコールの辛口ワインは増えたのか?

調べたのですが、正確な数値は見つけられませんでした。ただ、原理としては「昔よりアルコール度数が高めの辛口が増えた」と考えていいのかな?でもそもそも使う酵母によって、閾値があったりするし実際どうなんだろう?

世の中的には低アルコールが好まれる時代なので、「どこまでアルコールを上げずにコントロールするか」という、温暖化時代ならではの新しい悩みが生まれているのかもしれません(このあたりの実データ、知っている方がいたらぜひ教えてください)。


ドイツワイン法の変化:「糖度中心」から「産地中心」へ

ちなみに、ドイツワインの「等級の考え方」自体も、いままさに過渡期にあります。

これまでのドイツでは、プレディカーツヴァイン(ドイツワイン法における最高級の品質分類)において、収穫時のブドウの糖度に基づき「カビネット」や「シュペートレーゼ」といった糖度=熟度で細かく等級を分けるスタイルが有名でした。しかし2021年のワイン法改正をきっかけに、「糖度が高いほど偉い」という発想から、「原産地が小さく具体的になるほど品質が高い」という"産地中心"の考え方に、少しずつ舵が切られています。

「ぶどうの糖度」から「どこで育ったぶどうか」が重視される時代へ。この新しいワイン法は2021年から段階的に施行されていて、2025年ヴィンテージまでは旧ルールの表記も認められていましたが、2026年ヴィンテージからは新しい原産地ベースの等級ルールが本格化するようです。

ドイツワイン法については、次の記事でもう少し掘ってみたいと思います!

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