菌ちゃん農法の畝の作り方(初心者向け)
🌱 肥料も農薬も使わずに野菜が育つ菌ちゃん農法。
「やってみたいけど、何から始めればいいの?」
そう思っている方に向けて、この記事では菌ちゃん農法の畝(うね)の作り方を、材料の準備から完成まで順を追って丁寧に説明します。
私も初めてチャレンジするので勉強の意味で記事にします。
🔍 菌ちゃん農法の畝づくりとは

菌ちゃん農法の核心は「糸状菌が住みやすい土の環境をつくること」にあります。
糸状菌とは、キノコの仲間のような微生物のこと。
枯れ木や落ち葉を食べながら土の中に広がり、野菜の根っこと「つながって」栄養を届けてくれます。
この糸状菌が元気に働ける土をつくるため、高さ45〜50cmの高い畝(高畝)を作るのが菌ちゃん農法の大きな特徴です。
通常の平らな畝と比べて、土の中に空気が通りやすくなり、糸状菌が活動しやすい環境が生まれます。
📌 畝づくりに必要な材料
丸太・小枝(古くなって菌がまわりはじめたものが理想)
落ち葉・乾燥した竹・乾燥した雑草(糸状菌のエサになる)
竹炭または木炭(土の腐敗を防ぎ、微生物を活性化する)
苦土セルカ2号(カキ殻石灰+マグネシウムの資材。酸性土壌の調整に)
ホウ砂(白菜・大根・トマトを育てる場合に使用。苦土セルカ2号を使用する場合は省略可)
幅180cm以上の黒マルチ(雨水の浸透を防ぎ保湿・保温する)
スコップ・トンボ(マルチ押さえ)
まず材料をそろえてから、次の手順へ進みましょう。
畝づくりの前に:土壌の下準備
畝を作る前に、まず土に資材を混ぜ込む下準備をします。
これをしっかりやっておくことで、野菜が育ちやすい環境が整います。
🌿 苦土セルカ2号で土の酸性を調整する

日本の土は、放置されると酸性に傾きやすい性質があります。
石灰を入れたことのない土は、強い酸性になっている可能性があります。
そんな土には「苦土セルカ2号」がおすすめです。
カキ殻石灰にマグネシウムが配合された資材で、酸性を穏やかに中和しながらミネラルも補給できます。
農協や園芸店で入手でき、カキ殻石灰よりもバランスが良い点が特徴です。
使用量:1平米あたり200〜300g
散布タイミング:畝を作る前の平らな状態の土に散布してよく混ぜる
苦土セルカ2号にはホウ素も含まれているため、別途ホウ砂を加える必要はほぼありません
🌾 ホウ砂(苦土セルカ2号を使用する場合は省略可)
白菜・大根・トマトを育てたい場合は「ホウ砂」の補充が有効です。
日本の土はホウ素が不足しやすく、これらの野菜はホウ素欠乏の症状が出やすいとされています。
ただし、入れすぎると害が出るので量に注意が必要です。
使用量:1平米あたり1g程度(ごく少量)
先にホウ砂を少量の土と混ぜてから、畑全体に散布する(まんべんなく広げるため)
苦土セルカ2号を使っている場合は追加不要なことが多い
(出典:農業法人 菌ちゃんふぁーむ 公式Q&A )
🔥 竹炭・木炭で微生物の住みかをつくる
竹炭や木炭は、微生物が住みつく「小さな穴(多孔質)」がたくさんある資材です。
土に混ぜると通気性と保水性が同時に上がり、土の腐敗を防ぐ効果があります。
糸状菌などの有用微生物が増えやすくなるため、菌ちゃん農法との相性がとても良いです。
使用量:1平米あたり1〜数kg(最大10kgまで)
炭に灰が混じっているとpHが高くなりすぎるため、もともとpHが高い土の場合は雨にさらしてアクを抜いた炭を使う
畝を作る前の平地の状態で土に混ぜ込む
これらの資材を土全体に広げたら、耕運機やクワなどででよく混ぜ合わせます。

準備ができたら、いよいよ畝づくりに入ります。
🏗️ 菌ちゃん農法 畝の作り方ステップ
🔎 まず排水を確認する
畝づくりの前に、水はけの確認をしておきましょう。
雨の後に水たまりが残る場所は、排水が悪い証拠です。
糸状菌は水につかると死んでしまうため、水はけが悪い土地には向きません。
必要であれば、畝の周りに排水溝を掘り、水が外へ流れる仕組みをつくります。
この一手間が、後の野菜の育ちに大きく影響しますよ。
丸太・小枝を畝の土台に置く

排水の確認ができたら、畝の両サイドの低い位置に丸太や太い小枝を置きます。
丸太はそのまま使うと糸状菌が住みつくのに時間がかかるため、すでに菌がまわりはじめた古い丸太を使うのが理想的です。
直径10cmを超えるような太い丸太は、割って使いましょう。
丸太はゆっくり分解されるため、数年分の糸状菌のエサとして長期間にわたって土を豊かにしてくれます。
古くて表面が少し腐りかけているものが最適
新しい丸太を入れると野菜の発根を抑制することがあるため注意
借地の場合は丸太のような大きなものは使わず、細い枝だけにする(返却時にトラブルになるため)
🍂 エサ(有機物)を畝の上に積む

丸太の上に糸状菌のエサとなる有機物をたっぷり積み上げます。
落ち葉:山道の日陰の側溝などにある腐りかけたものが最適
乾燥した竹・乾燥した雑草(ススキ・ダンチク・セイタカアワダチソウなど固い草)
小枝・木のチップ(古いものがベスト。新しい木は発根を抑制することがある)
🌿 草はウネの中に埋めてはいけません。
柔らかい草を土に混ぜると、糸状菌ではなく細菌が食べてしまい、土の環境が乱れます。
草は畝の一番上に薄く敷く程度にとどめましょう。
有機物をのせたらその上にうっすらと土をかけます。
🔧 有機物と土を混ぜながら畝を成形する
菌ちゃんふぁーむの最新の方法では、有機物と土をよく混ぜながら畝を成形することが推奨されています。
これにより乾燥や低温の時期でも糸状菌がエサにアクセスしやすくなります。
具体的なやり方はこちらです。
畝の高さが35cm程度になったら、土が薄く見える程度に有機物を乗せる
有機物が見えなくなるまで土を被せる
「有機物→土→有機物→土」と交互に重ねて、最終的に高さ50〜55cmの畝に仕上げる
最後にスコップで畝の側面から差し込み、上部20cm程度を有機物と土がしっかり混ざった状態にする
🔑 目標の畝のサイズは「上部の幅100cm・高さ45〜50cm・台形状」です。
低すぎると梅雨の大雨で糸状菌が弱るため、この高さはしっかり確保しましょう。
💧 雨に当ててから黒マルチを張る

畝が成形できたら、一度しっかり雨に当てて畝の中の有機物まで湿らせます。
これが糸状菌が活動を始めるための、とても大切なステップです。
畝全体が十分に湿ったことを確認してから、幅180cm以上の黒マルチを隙間なくピンと張ります。
黒マルチには次のような効果があります。
遮光:雑草の発生を抑える
保湿:土の水分を逃がさない
保温:地温を一定に保ち、糸状菌が活動しやすくする
遮水:過剰な雨水が畝の中に入り込むのを防ぐ
草マルチや不織布では代用できないので、専用の黒マルチを用意してください。
重石を置いて完成

黒マルチが風で飛ばないよう、土を入れた袋・石・ブロックなどを重石として畝の上に乗せます(重しと重しの間の目安は「20cm程度」)。
重石は「毛細管現象」によって土の水分を保つ効果もあるため、重石の下は乾きにくくなります。
野菜の根はそこに集まってくるので、重石の配置は野菜の成長にもプラスに働きます。
重石はウネの両サイドに置き、間隔を狭めに配置する
土を入れた袋を使う場合は、雨で流れないよう工夫する
⏳ 畝を完成させてからやること
🕐 2〜3ヶ月は寝かせる
畝が完成しても、すぐに野菜は植えられません。
糸状菌が十分に増えるまで、最低でも2〜3ヶ月は畝を寝かせておく必要があります。
この間は、黒マルチをかけたまま放置するだけでOKです。
待つのがもどかしく感じるかもしれませんが、この期間がのちの豊かな収穫につながります。
🌿 菌ちゃんが育った畝には、マルチをめくると白い糸のような菌糸が確認できることがあります。
これが「菌ちゃんが元気に育っているサイン」です。
🌱 植え付けのタイミングと液肥
2〜3ヶ月が経ったら、いよいよ苗の植え付けです。
植え付けのときは、液体肥料(液肥)を苗にかけてあげると安心です。
これは苗の根が伸びはじめた際に、糸状菌とつながるまでの「つなぎの栄養」になります。
窒素(N)の数値が高い液肥を選ぶ
植え付け時に1回かけるだけでOK
その後は糸状菌が野菜に栄養を届けてくれるので、追肥は基本的に不要
(出典:農業法人 菌ちゃんふぁーむ 公式Q&A )
📝 まとめ
菌ちゃん農法の畝の作り方は、大きく分けると「土の下準備→資材の積み上げ→黒マルチで保護→寝かせる」という流れになります。
最初の畝づくりは体力が必要な作業ですが、一度しっかり仕込んでしまえば、あとはほとんど手をかけずに野菜が育つのが菌ちゃん農法の醍醐味です。
🌿 土を育てることは、野菜を育てること。
そして土が豊かになることで、食べるわたしたちも豊かになっていきます。
この記事は農業法人 菌ちゃんふぁーむの公式情報および書籍、youtubeや関連資料をもとに作成しています。
