私が持っているのはマイクです。
こんにちは。瀬海歩です。
本日は、大勢の前でお話できる機会をいただき本当にありがとうございます。
人が離れてしまうかもしれませんが、この話ができることを嬉しく思います。
ここに、マイクがあります。
コンコン、
たしかにマイクです。
マイクですよね?
しつこいですがマイクです。
これが、精神を病むとこう言われることがあります。
「それ、本当にマイク?」
「幻覚をみてるんじゃないの?」
ひどい時にはこうです。
まだ一言も相談していないのに
「主治医は誰?」
「病院はどこ?」
「薬は飲んでる?」
プライドもへったくれもありません。
ただ、私が元気な時、
精神を病んでいる人のイメージは
かなり偏見がありました。
その偏見が今、そのまま自分にかえってきている。
そう思っています。
『理解』
理解してくれる人ってなかなかいない。
風邪を引いたら、内科に行きます。
眼がかすんだら、眼科に行きます。
歯が痛ければ、歯科に行きます。
心が病んだら、心療内科や精神科に行きます。
これが普通の在り方だと理解できる人は少ない。
私はここでくじけてしまいました。
具体的には4年半、ひきこもっていたのです。
仕事をしていない。
精神も患っている。
入院して、なかなか出てこない。
将来の見込みもない。
1円も稼いでいない。
大きなことばかり言っている。
気づけば、4年以上ひきこもっている。
そして
特別かっこいいわけでもない。
——それが、当時の私です。
でも、誤解してほしくないのは、
この状態にいる人が「ダメな人間」だと
言いたいわけではありません。
むしろ、その状況の中で
毎日を生きているだけで、
本当はすごいことだと思っています。
ただ、当時の私は、
そんな自分自身さえも受け入れられず、
「こんな自分と結婚したいと思う人なんて、
いるはずがない」
そう思い込んでいました。
精神病棟で、父は当時の彼女にこう言いました。
「もう歩はダメだから、新しい人を探してください。」
彼女は黙って泣いていました。
退院したとき、
彼女は私の実家にいてくれたんです。
涙が滝のように流れました。
この人だけは裏切ってはいけない。
そう、強く思いました。
そんな女性いるはずがない。
幻覚をみてるんじゃない?
そうではありません。
実際に結婚し、今一緒に住んでいます。
私は精神を一度病んだら、
人生が終わるという考え方をぶっ壊したい。
——正直に言うと、
このまま終わるかもしれないと思ったこともあります。
精神科の先生に吠えました。
「私はここで終わる人間じゃない!」
「仕事でもなんでもやってみせる!」
「幻覚も見ていない!」
——だからこそ、
私は今、ここにあるものを、ちゃんと「ある」と言いたいんです。
そして人生でやりたいことリスト100を150達成し
経理と漫画のダブルワークをして
今、こうしてお話しています。
あなたに、手があるなら書いてください。
あなたに、声があるなら、話してください。
あなたの思いを、悔しさを、憤りを、夢を、そして感謝を。
ここにマイクがあります。
でも、昔の私なら、
きっと疑われていたでしょう。
「それ、本当にマイク?」と。
それでもいい。
私は今、ここに立っている。
この手に、マイクを持って。
ありがとうございました。
瀬海歩
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