冒険に心惹かれますか?スキーのジャンプ。日本がフライング世界選手権で団体初V。220m飛ぶ大ジャンプ。それは山を駆ける箱根駅伝のようなアドベンチャー
冒険に心惹かれますか?スキーのジャンプ。日本がフライング世界選手権で団体初Vを成し遂げた。220mを超える大ジャンプ。とてもスポーツとは思えない。それは山を駆ける箱根駅伝のようなアドベンチャーだろう。頂点に立った日本の勇者4人を心からたたえたい。
ドイツのオーベルストドルフで25日に行われた団体戦。安全に飛べる限界点とされるヒルサイズが235mだ。
ジャンプは五輪で行われる種目がノーマルヒル(NH)とラージヒル(LH)。NHはヒルサイズが85~109m。LHは110~185m。それより距離の長いのがフライング。ヒルサイズが185m以上だ。
そもそもヒルサイズのジャンプ台は世界で5つしかない。スロベニア、ドイツ、ノルウェー、オーストリア、チェコにあるだけ。原則2年に一度行われるフライング選手権は、これらの会場の持ち回りで行われる。
元々、個人だけの大会だったが、2004年から団体でも競うこととなった。
そもそも日本で練習できない種目。個人では1992年に葛西紀明選手、1998年に船木和喜選手の国内勢が頂点に立った。しかし団体は最高成績が5位。表彰台に立ったことがなかった。
今回は日本のエース小林陵侑選手、内藤智文選手、中村直幹選手、二階堂蓮選手のカルテットが空を舞った。
各選手2度ずつ飛ぶルール。1回目。トップの小林選手が223mを飛び2位につけた。そして2番目の内藤選手は今大会が初めてのフライング。216mで2位をキープ。そして中村選手が首位との差を詰めて、アンカーの二階堂選手が逆転して1回目トップに立った。
2回目は小林選手が逆転を許したものの、内藤選手が222.5mの自己最長ジャンプ。中村選手は雪の降り仕切る中、224mの大ジャンプ。そしてラストの二階堂選手が229mのフライトを見せた。後に飛ぶオーストリア選手に重圧をかけた。
日本は合計1569.6点。オーストリアを0.4点上回って、初優勝を果たした。日本のジャンプと言えば、2022年北京五輪NHで金メダルを獲得した小林選手がエース。そして二階堂選手は今大会個人で3位入賞を果たしていた。
今回の団体では2番目の内藤選手、3番目の中村選手の活躍が光った。特に中村選手は3番手の中で2本とも1位の点数だった。内藤選手もフライング初挑戦で、2回目の222mの会心ジャンプは見事だった。
全日本スキー連盟は、フライング種目を「世界一遠くまで飛ぶ人類の決定戦」と説明している。まさにはるか遠くまで挑む冒険なのだ。世界で一番となった日本の勇者4人をたたえたい。
正月に行われる箱根駅伝も、スポーツの枠に留まらず、冒険と言う意味合いが強いと思う。タスキをつなぎ、箱根の山を上り下りする。
特に今年は青山学院大の黒田朝日選手が異次元の速さを見せて大逆転勝ち。まるで平地を走っているようにすら見えたが、山上がりの続く道に挑んでいたのだ。
ウィンタースポーツは来月、イタリアでミラノ・コルティナ五輪が開かれる。各競技のナンバーワンをめざして熱い戦いが見られるだろう。それでも今回の世界フライング選手権は五輪に負けずとも劣らない大会と思える。
日本の勇者4人に心から拍手を送りたい。あなたたちは偉大な冒険者だ。異次元の大ジャンプで、人類一番となったのだから。
