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新たな職場は働きやすいですか?広島の栗林投手。リリーフ一筋から転向。初先発で1安打完封。95球の省エネ投球。多彩な変化球で、打者に的を絞らせず。「自信になった」

新たな職場は働きやすいですか?広島の栗林良吏投手はプロ6年目。リリーフ一筋から担当替えとなった、先発投手として初登板。1安打完封勝利を手にした。わずか95球の省エネ投球。多彩な変化球を駆使して、打者に的を絞らせなかった。新職場に十分マッチしているようだ。

会社勤めをしている人は4月になると、新たな職場に異動となることもあるだろう。これまでやってきた仕事と異なる内容でストレスも生じるだろう。

栗林投手は愛知県出身で愛知黎明高から名城大学を経てトヨタ自動車へ。2020年に広島からドラフト1位指名を受けて入団した。

2021年のルーキーイヤーに与えられた仕事は抑え投手。プロ入り初登板で初セーブ。この年、37セーブを挙げた。オールスターにも出場。新人王に輝いた。

さらに侍ジャパンの一員として、この年に行われた東京五輪で活躍した。全5試合に登板して2勝3セーブ。金メダル獲得に大きく貢献した。

2年目以降もリリーフ投手として登板を続けていった。2024年7月のヤクルト戦では、1イニング打者3人に対して、いずれも初球でアウトにする珍記録も。2025年までの5シーズン271試合にすべて救援で登場した。

6年目の今季。新井貴浩監督から先発転向の打診を受け、新たなキャリアを積むこととなった。指揮官には「投球全体にメリハリをつける効果がある」との意図があった。

そして今季開幕3戦目に、先発登板の日を迎えた。ホーム広島での中日戦だ。

抑え時代の栗林投手には、直球とフォークで相手をねじ伏せる印象が強かった。しかし、この日、カーブやスライダーも交えて、多彩な変化球を駆使した。これでは相手は的を絞り切れない。栗林投手はアウトの山を積み上げていった。

五回にはショートの勝田成選手がライナーを好捕。味方守備陣に盛り立てられて、スイスイ投球を続けていった。七回までパーフェクト投球だった。

八回に先頭打者にヒットを許した。マスクをかぶっていた坂倉将吾捕手は完全試合を逃して「悔しい」。一方、栗林投手本人は「ノーアウトで走者を出してしまった」と重く受け止めていなかった。後続を抑えて、このイニングもゼロに。

そして九回。最後の打者を空振り三振に仕留めてゲームセット。許した出塁はヒット1本のみ。準パーフェクト試合だ。しかも95球での完封勝利。100球未満での完封「マダックス」を達成した。メジャーリーグのレジェンド投手グレッグ・マダックスさんに由来する記録を生んだ。

抑え投手には1球も甘い投球が許されないプレッシャーがかかる。これではメンタルを維持するのも厳しい。それを考慮して、新井監督は栗林投手に先発転向を打診した。「きょうは良い表情でマウンドに上がっている印象を受けた」と指揮官の狙いは吉となった。

29歳右腕にとって初の「人事異動」。最初の日に大仕事をやってのけた。「緊張と言うより、良い集中力だった。自信にもなりました」と満足そうな表情を浮かべた。

先発という新職場は、栗林投手に十分合っているようだ。

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