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それは火曜日から始まった 《詩》

「それは火曜日から始まった」

風を感じて繋いだ手

夢に見た横顔 

雲が静かに空を横切る

あの日の言葉と貴方の仕草

飛べない鳥は祈りを捧げ続け

言葉にならない想いと叶わない夢

貴方の声が好き

振り返る坂道 涼しげな朝の風


落ちかけたマニキュア 
貴方の好きな色 教えてよ

乙女の祈り 
私を必要として欲しいだけ

それは火曜日から始まった

何故、私が
曜日を覚えてるかって?

それは あの日 
貴方が訊いたから 

「今日は何曜日ですか?」って
私は「火曜日です」
そう答えたのを覚えてる

朝が訪れたばかりの街並みの中
貴方と出逢った

勢いで切った長い髪 気付いてよ
貴方の好きな髪型 教えてよ

恋と夢そして現実の間

夜に堕ちて夢を見る


それは火曜日から始まった

何故、僕が
曜日を覚えてるかって?

君が「火曜日です」
と答えてくれたから

朝が訪れたばかりの街並み 

ショーウィンドウの前に
まだ幼なさの残る
女性が立っていた 

痩せていて小柄で髪は
ひとつにまとめられ
アップされていた

袖の無い水色の
ワンピースを着ていて

そこから突き出した細い腕は
透き通るほど白く美しかった

朝から知らない人に
曜日を訊くなんて どうかしてるよ

だけどどうしても彼女に
話しかけたかったんだ

僕は必要以上の微笑みを浮かべて

「ありがとう」そう君に言ったんだ

名前も知らない人なのに

僕の頭の中には あの時から
いつだって君がいる

男の祈り 
僕を必要として欲しいだけ

恋と夢そして現実の間

夜に堕ちて夢を見る

それは火曜日から始まった

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