バニラ アイス 《詩》

「バニラ アイス」
上り坂 三速のまま踏み込んだ
アクセル 車のエンジン軋む音
ホイップ クリーム垂らした床
舐めてる子猫
誰とも目を合さずに舐め続けてる
汚れた指先 開いた胸の縫い目
そこにあるのは
薬で意識飛ばしたあの娘の想い
吐き出した煙草の煙
シャボン玉に入れた
気怠そうに飛んで直ぐに割れた
空気に混じって見えなくなった
空を見上げる理由なんてそんなもの
ソファーで横になってる
お前の足首に口づけた
バニラ アイスを買いに行くの
あの娘は俺にそう言った
トンネルに入ったらギアを
一速落としてさ
音を響かせるんだよ
たまらないだろう 良い音するぜ
身体中ホイップ クリームに
塗れた子猫
テーブルの足で爪を研いでる
汚れた指先 開いた胸の縫い目
そこにあるのは
酒で意識飛ばした俺の想い
茶色いフィルターもぎ取った
あの娘の指先
ブラウンのマニキュア
口の中に残る煙草の葉を吐き出した
高くかざした煙草の火種
空を見上げる理由なんてそんなもの
ソファーで横になってる
俺の腰に絡み付けたお前の脚
バニラ アイスを買いに行くの
あの娘は俺にそう言った
空が青くて歌いたくなったから
全部ピース マークと花束で
片付けちゃって
バニラ アイスを買いに行こうよ
あの娘は俺にそう言った

