生きる 《詩》

「生きる」
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
そう書き残した詩人
誰かが遺した手紙
鬱蒼とした街並み
ビルという森の頂
美しき苦痛を眺め見る
僕等が死ぬ事を決めたのは
幼い頃の古い写真の中の自分が
幸せそうに笑っていたから
僕等が死ぬ事を決めたのは
冷たい雨が傘を破り肩に
降り注ぐから
窓の外は全部 嘘
綺麗事の雨 愛想の無い風
こじ開けたパンドラの箱
消せない記憶と床に散らばる
効かない薬
風になれたなら
この苦しみは消えますか
其処に花は咲いていますか
独りよがりの言葉
生きる為に必要な理由
心を失くし投げ捨てた希望
義足で歩いた旅路
今 絶命の声が風になる
果たせなかった想いと
生き絶えた残骸と絶縁の詩を
此処に残して
其処に陽は射さずとも
生きているということ
すべての美しいものに
出会うということ
そして
かくされた悪を
注意深くこばむこと
生きているということ
いのちということ
いつだって僕等は
ナイフを握る自画像を
スケッチブックに描きながら
必死で生きている

