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「哲学すること」の出発点〜NHK100分de名著(2026.2)第1回振り返り〜

 みなさんはカール・ヤスパースというドイツの哲学者をご存知でしょうか。

 「NHK100分de名著」のテーマにもなっている『哲学入門』は、彼の代表的な著書として知られています。今回は主に「限界状況」という言葉に着目しながらその思想に迫っていきます。
 『哲学入門』では「限界状況」について次のように述べられています。少々長いですが、ヤスパースの思想を語る上で重要な部分なので、そのまま引用させていただきます。

 私たちはいろいろな状況のうちに生きているのであります。これらの状況は変化し、いろいろな機会が現れてきます。これらの機会はそれをとらえそこなうと二度とやってこない。私は自ら努めて状況を変化させることができます。しかし私は死なねばならないとか、私は悩まねばならないとか、私は戦わねばならないとか、私は偶然の手に委ねられているとか、私は不可避的に罪に巻き込まれているなどというように、たとえ状況の一時的な現象が変化したり、状況の圧力が表面に現れなかったりすることがあっても、その本質においては変化しないところの状況というものが存在します。私たちはこのような私たちの現存在の状況を限界状況(Grenzsituation)と呼んでいるのであります。

カール・ヤスパース著、草薙正夫訳『哲学入門』p.26、新潮文庫

 人間が「乗り越えることができない」「なかったことにすることができない」状況を自覚するのは、「挫折」を経験したときです。「挫折」とは事故や病気などによって「それまで「当たり前」と信じていた世界がなくなってしまう体験」(番組第1回より)だと哲学者の戸谷洋志さんは語っています。
 ヤスパースが気管支拡張症という難病に苦しめられていたように、自分にも「暗黒の状態」(本書p.180)を経験したことがありました。
 それはあまりにも複雑な事情なので、ここには詳述できません。
 しかし、その出来事は「「私」自身の生きる意味を問い直す」(テキストp.25)きっかけにもなりました。振り返ってみると、数年前にnoteで創作活動を始めたことが、僕にとっては「挫折からの再出発」(テキストp.16)だったのかもしれません。
 それから約5年半、「現象が私たちに透明になる」(本書p.50)、すなわち「自分の表層ではなく内側の真価を理解できる」(番組第1回より)状態になったかどうか今もって確信は得られていません。何者にもなれていない自分がそこに至るためには何が必要なのか。第2回以降も引き続きそのヒントを探っていきたいです。

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#noteでよかったこと

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