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歯科業界の現状と倒産急増

歯科業界の現状と倒産急増の背景について、さらに詳しく解説します。

1. 倒産の内訳と「経営の脆さ」

倒産した39件の詳細を見ると、小規模な経営体が限界を迎えている実態がわかります。

  • 事業形態:倒産した39件のうち、33件が個人企業でした。

  • 資本金:39件中38件が、資本金1000万円未満(個人企業含む)の事業者でした。

  • 負債額:39件中24件が、負債額1000万円以上5000万円未満の範囲に収まっています。 このように、大きな負債を抱える前に、わずかな資金繰りの悪化で経営が立ち行かなくなる小規模事業者が多いのが特徴です。

2. 「ゼロゼロ融資」による抑制とその反動

2022年度までは、倒産件数は年度10件台後半と低く抑えられていました。

  • 延命措置:コロナ禍における「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」などの手厚い公的支援が、本来であれば経営が厳しかった診療所を下支えしていました。

  • 支援終了の影響:これらの支援策が終了したことで、2023年度から倒産が顕在化し始め、2025年度には前年度比56.0%増という急増を招きました。

3. 歴史的背景と「オーバーストア」の深刻化

歯科医院がここまで増えたのには、歴史的な理由があります。

  • 歯科医師の増員:1960年代から1980年代にかけて歯科医療の需要が増えた際、国策として歯科大学や歯学部の新設が相次ぎ、歯科医師の数が大幅に増えました。

  • コンビニとの比較:2024年10月時点の歯科診療所数(6万6378施設)は、大手コンビニ3社の合計店舗数(2026年2月時点で5万6149店)よりも約1万施設多い状態です。

  • 専門分化による増加:かつては「虫歯治療」がメインでしたが、現在は「矯正歯科」「審美歯科」「予防歯科」など、特定の分野に特化した独立開業が増えたことも、施設数が増加し続けている要因の一つです。

4. 歯科技工所の苦境

今回のデータには歯科診療所だけでなく、入れ歯や差し歯などを作る「歯科技工所」の倒産も含まれています。診療所の経営難は、そこに付随する技工所の受注や経営にも連鎖的に影響を与えていると考えられます。

まとめ

「歴史的に増えすぎた施設数による過当競争」という構造的問題を、「コロナ禍の融資」で一時的に覆い隠していましたが、その支援が切れたことで一気に経営破綻が噴き出しているのが現在の状況です


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