「3300年前、古代エジプトはすでに没入型だった」: 超高精細アーカイブが生み出す新しい文化体験
「没入型展覧会」という言葉を聞くと、多くの人は最新のプロジェクションマッピングやVRを思い浮かべる。けれども、私はエジプトで全く逆のことを考えるようになった。
もしかすると、人類が最初に没入型空間を作ったのは古代エジプトではないだろうか。
神殿とは建築ではないし、巨大な映像装置でもない。
人を別の世界へ運ぶ体験そのものだった。
暗い回廊。柱。天井。光。色彩。
壁一面を覆う象徴。
そこを歩くこと自体が物語になっていた。
現代の私たちは、それを「遺跡」と呼んでしまう。
しかし彼らにとっては、生きた空間だった。
そして今、その空間を再び体験できる可能性が生まれている。
イタリア人写真家サンドロ・ヴァンニーニが40年以上かけて撮影してきた超高精細アーカイブだ。
壮大な壁画を特殊な技術で捉え、観る人を圧倒する。しかしながら、ずっと近づいて観ると、3300年前の職人の指紋まで見える。
肉眼では決して見えない色彩。
修復の痕跡。
石の質感。
それは人を別の世界へ導く「体験」そのものだった。
暗い回廊。林立する柱。天井を覆う星。
差し込む光。
壁一面を埋め尽くす神々と象徴。そこを歩くこと自体が物語だった。
現代の私たちは、それを「遺跡」と呼ぶ。
けれども当時の人々にとって、それは生きた空間だった。
その空間を、現代にもう一度体験できる可能性がある。
サンドロ・ヴァンニーニのアーカイブは「写真」ではなく、新しい文化体験の素材だ。
ここから何ができるのか。
展覧会や出版。そして教育。
映像もAIも、VRも、その可能性は果てしなく広がる。
これらすべてへ発展できる「文化のプラットフォーム」だ。
だからこそ、日本でこの可能性を一緒に考えてくださる文化パートナーと出会いたい。
完成した企画を売り込みたいのではない。世界でも類を見ないこの文化資産を、日本ではどのような新しい文化体験へ育てられるのか。
その対話から始めたいと思っている。







サンドロ・ヴァニーニ
Laboratoriorosso 創業者兼CEO
写真家・ビジュアルストーリーテラー・文化遺産イノベーター。
写真、出版、没入型ストーリーテリングを通じて、世界の文化遺産を記録し、保存し、再構築することにそのキャリアを捧げてきた。
『King Tut: The Journey through the Underworld』、『King Tutankhamun: The Treasures of the Tomb』、『The Royal Tombs of Egypt』、『The Lost Tombs of Thebes』、『Life in Paradise』、『Highlights of the Egyptian Museum』、『Omaggio all’Egitto』など、国際的に高い評価を得た出版物を手掛ける。
彼の作品は、「Revealing Tutankhamun」「Gods of Egypt」「Tutankhamun Immersive」、そしてハリー・バートンの伝説的な発掘写真とヴァンニーニの現代的な超高解像度記録写真との対話を生み出す「Harry Burton × Sandro Vannini」など、主要な美術館の展覧会や没入型体験の基盤を形成してきた。
現在進行中のプロジェクトには、世界でも最も野心的な博物館プロジェクトの一つである「グランド・エジプト博物館」のための大規模な写真記録に加え、ジョージ・ルーカス・ナラティブ・アート博物館に関連する視覚的・物語的遺産イニシアチブへの貢献も含まれており、写真や没入型メディアを通じた博物館のストーリーテリングに対する革新的なアプローチを模索している。
今日、「ヴァンニーニ・アーカイブ」は単なる写真コレクションの枠をはるかに超えた存在として、博物館、保存修復、学術研究、出版、人工知能、没入型展示、バーチャルリアリティ、デジタル・ストーリーテリングのための、他に類を見ない文化的資源を提供。考古学、テクノロジー、アートを結んで、人類の文化遺産を伝える役割を果たしている。
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