はじめての方へ|探究する人を育てる理科教育ノート


はじめまして。

このnoteでは、理科教育、探究学習、生徒研究、実験、教材づくりについて、学校現場で実践してきたことや考えていることを記録しています。

授業でうまくいったことだけではありません。

失敗した実験。
再現できなかった研究。
生徒への問いかけで迷ったこと。
指導方法を変えたこと。

そうした試行錯誤も含めて残していきます。

なぜなら、私自身が教育を「完成された方法を生徒に与えること」ではなく、よりよい方法を探究し続ける営みだと考えているからです。

私が育てたいのは、「一人で何でもできる人」ではありません

学校では、ともすると「一人でできること」が評価されます。

自分で考えられる。
自分で問題を解ける。
自分で研究できる。

もちろん、それらは大切です。

しかし、社会にある大きな課題の多くは、一人では解決できません。

だから私は、他者とのつながりを大切にし、他者を必要としながら探究できる人を育てたいと考えています。

自分にはない知識を持つ人に頼る。
自分とは違う考えを持つ人の話を聴く。
対話によって、自分の考えを変える。
一人では描けなかった未来を、仲間とともに描く。

「人に頼らず一人でできること」だけが力なのではなく、
誰かとつながることで、自分一人では到達できない場所まで行けることも、一つの力です。

自分の「やりたい」を、仲間と社会へ

私が大切にしているのは、

自分がやりたいこと
仲間がやりたいこと
社会の誰かを幸せにすること

この三つが重なるところです。

自分の夢や成功を求めることを否定したいわけではありません。

自分が幸せになる。
仲間も幸せになる。
その挑戦によって、社会の誰かの幸せも増えていく。

そんな重なりをつくれる人になってほしい。

そして、自分たちだけが納得するビジョンではなく、

「そんな社会なら実現してほしい」
「その挑戦なら応援したい」
「自分も力を貸したい」

と、周囲の人が思えるビジョンをつくってほしいと考えています。

私は、人から応援される人を育てたいのだと思います。

自分のためだけに努力するのではなく、仲間や誰かのためにも一生懸命になれる人。

その姿に人は心を動かされます。

そして、一人の挑戦が仲間の挑戦になり、やがて社会へと広がっていきます。

社会課題は、与えられるものではなく、自分で見つける

「この社会課題について考えなさい」と教師から与えられた問題を解くだけではなく、

自分の周りの人の声を聴き、

「これは困っているのではないか」
「このままでいいのだろうか」
「もっと幸せにできるのではないか」

と、自分自身で問いを見つけてほしい。

たくさんの人が困っている問題だけが社会課題ではありません。

人数が少なくても、その人たちが抱える困難が深刻なら、向き合う価値のある課題です。

大切なのは、「社会で一番重要な課題」を教師が決めることではなく、
自分と仲間が、本気で何とかしたいと思える課題に出会うことだと考えています。

科学技術は、社会をよりよくするための強力な武器

私は理科教育に携わっています。

だからこそ、生徒には科学や技術の力を身につけてほしいと思っています。

ただし、科学技術そのものが目的ではありません。

科学技術は、社会課題を解決するための強力な手段の一つです。

課題によっては、新しい技術が必要かもしれない。

別の課題では、対話や教育、制度、デザイン、経済の仕組みを変える方が有効かもしれない。

大切なのは、一つの方法にこだわることではありません。

使える知識と技術を増やし、仲間と考え、課題に応じて最適な方法を選ぶことです。

方法は変えていい。未来は簡単に諦めない

研究をしていれば、失敗します。

仮説が外れることもあります。
実験が再現できないこともあります。
自信のあったアイデアが、全く役に立たないこともあります。

そんなとき、方法やアイデアには固執しなくていい。

仮説も変えていい。
方法も変えていい。
必要なら最初からやり直していい。

しかし、

「こんな社会を実現したい」

というビジョンまで、簡単には諦めてほしくありません。

私が育てたいのは、社会課題を一度解決した「実績のある生徒」ではありません。

卒業後も、

人の声を聴き、
問いを見つけ、
仲間とつながり、
対話し、
試し、
失敗し、
方法を変え、
それでも挑戦を続けられる人。

つまり、社会課題を解決し続けられる生き方・心・姿勢を身につけた人です。

このnoteに書いていくこと

このnoteでは、こうした教育観を土台として、

理科授業や探究授業のつくり方、
生徒研究の指導、
問いや仮説の立て方、
実験技能と再現性、
研究発表や学会参加、
実際に使った教材や実験器具、

そして、その中で私自身が考えたことを記録していきます。

「これが正解です」と方法を示すだけのnoteにはしたくありません。

なぜその方法を選ぶのか。
どこで失敗したのか。
何を変えたのか。
生徒に何を身につけてほしいのか。

その背景にある考えまで書いていきたいと思っています。

一人ではつくれない未来を、仲間と。

教育も研究も、一人ではできません。

私自身も、生徒、同僚の先生方、研究者、保護者、地域の方々など、多くの人とのつながりの中で学んできました。

このnoteも同じです。

ここに書いた実践や考えが、誰かの授業や研究のヒントになり、そこからまた新しい実践が生まれればうれしく思います。

そして、生徒たちがいつか、

自分のやりたいことを、仲間のやりたいことと重ね、社会の誰かの幸せへとつなげられる人になること。

そのための教育を、これからも探究していきます。

一人ではつくれない未来を、仲間と。

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