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国語とインテリ層(SO)

前回、算数とインテリ層について話題にしました。
今回は、国語について。

なお、私が言う「インテリ層」とは、知識、教養などの点で、無理をしないでも「すごい人」「優秀な人」です。
以前「幸せなエリート層」と書いていた層の、教養部門担当、みたいな感じです。


読書とインテリ層

よく「国語の成績を上げるには、読書がいい」と言います。
実際のところどうなのでしょう?

私は逆だと思っています。
読書をするから国語の成績が上がるのではなく、国語の能力があるから文章に興味がわくのだと。

子どもの国語力は、小学校に上がるずっと前から見えてきます。
赤ちゃんが話し始めると、突然素敵な言葉が漏れ出てきて、みずみずしい感性の表現が、大人の心を打つことがあります。

わが子が天才だと思うのも、そうした時期でしょう。
本当の天才の子は滅多にいませんが、コンスタントにしっかりした文章で話せるようになると、言語能力が高い子である可能性は高いと思います。
中には、教えられている訳ではないのに、3文節の文章でしゃべる子もいたりします。

そんな子は、本が好きになるのも、学校に上がる前ではないでしょうか。
最初は絵本や図鑑の絵の部分から。
やがて文字を覚えると、文字を追いかけるようになる子もいて、その中に国語力が高い子がいるのだと思います。
少し早いですが、そのころに子どものインテリ層が生まれるのでしょう。

もちろん、子どもが本が好きなら、それで構いません。
応援してあげればいいだけです。

しかし、文章がそれほど好きではない子に、国語力をアップさせるために、親が読書をさせるのは、よく考えた方がいいでしょう。
子どもがそれを楽しいと思わなければ習慣化しませんし、場合によっては本嫌いの子にしてしまうこともありますから。

大事なのは語彙

そういう訳で、国語力のために読書が必須だとは考えていません。
大事なのは、語彙が豊富なことだと思います。

英語で仕事をしている人がよく言うのもそれです。
「語彙を増やすと英語がしゃべれる」
単語の羅列でも、英語圏の人は何を話したいかくみ取ってくれるので、重要なのは、とにかく語彙なのです。

言語能力の高い子は、ありとあらゆるところから言葉を集めてINPUTしていきます。
無理に教えなくても、大人が使っている言葉を真似して使う子もいます。
町を歩いていても、目に入ってくる文字情報に興味を持ち、意味を知りたがったり、意味も分からず使ったりします。
親がくだらないと思ってしまうようなテレビ番組やネットのコンテンツからでも、多くのことを吸収する子は少なくありません(それこそ、5、6人に1人はそんな子です)。

言葉のインテリ層は、そうして自分で勝手に語彙を増やしていきます。
親がすべきなのは、それを阻害しないこと。
くだらない番組だからと見せないようにしたり、ネットは有害だからと、必要以上に見せないようにするとか、いずれもインテリ層になる可能性の子どもの邪魔をしていると思います。

大切なのは「スキ」を応援すること

テレビ朝日系列に、「博士ちゃん」という番組があります。
※正式には『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』

マニアックな子どもたちを紹介していく番組ですが、とにかく賢そうな子が多く出演します。
その子たちは、私の分類だと、「ホビー層」のエリートです。
しかし、ほとんどの子は「インテリ層」でもあると思います。
長く続いている番組ですから、「博士ちゃん」のその後も放送されていて、東大に進むような子もいます。

なぜ賢そうに見えるか。それは、自分の「スキ」を自分の言葉でしっかり説明できるからです。
流行の言葉で言えば「言語化」でしょう。

言語化の訓練を受けたことなど、一度もないはずです。
もちろん、子ども向きの言語化のノウハウ本なども必要ないでしょう。
皆、自分が「スキ」なことだから、自然と語彙も豊富になって、そのことについて雄弁にしゃべれるようになっているだけなのだと思います。

何かが「スキ」になって、それを追及しはじめるだけで、「語彙」も「言語化」も自分のものにしてしまう訳です。

そういう子どもたちを邪魔するのが、中学受験だったりします。
自分の力で、エリート層に向かっている子どもに、遠回りをさせるのが、中学受験の勉強。
もったいないとしか言いようがありません。

確かに、中学受験勉強をすれば、できるようになるでしょう。

難関校にも合格するかもしれません。
しかし、中学受験のような比較的簡単なものに、素晴らしい才能を使ってしまうのは無駄です。
なぜ中学受験が簡単かというと(これは、高校受験、大学受験でも同じですが)、それは答えが出せることが保証されている問題が出るからです。
答えが出せるとわかっていること自体が大きなヒントであって、どんなに複雑な問題を作ろうと、基本的には難しい問題ではありません。

大学に行って初めて、簡単には答えが出せない学問に出会います。
小中高が、インテリ層の子たちにとって物足りないことがあるのは、ずっと答えが出せる勉強ばかりだからです。

「博士ちゃん」に出てくるような子どもたち。自分の趣味にまい進するような子どもたちは、常に答えが出せるとは限らないことに直面しながら生きていきます。
それこそが、AI時代にも、生き残っていける人間を作る方法だったりもするのです。

ですから、子どもの「スキ」が見て取れたら、それを応援するのは、とても大切なことなのだと思います。

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