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父からの否定

【父から叱られた】

【1】日課

小学生の頃、囲碁・将棋を覚えた僕は、「ある習慣」が日課になった。
それは、新聞の囲碁・将棋欄を切り抜いて、毎日スクラップすることだった。

プロの対局を見て、スクラップしたからと言って、急に棋力が上がるわけではない。
しかし、それでも、
・この手はどういう意味だろう?
・明日の新聞では、どんな展開になるだろう?
・この用語は、どういう意味だろう?
など、「初心者なりの向上心」を持って取り組んでいた。

【2】ある日突然

そんな僕の「囲碁・将棋スクラップ・ブック」が、意外な形で終わりを告げた。
リビングでくつろいでいたら、父が僕の「囲碁・将棋スクラップ・ブック」を持って現れた。

「おい、こんなことやってたらダメだろ。
 他に《もっと大事なこと》があるだろ」

父は、僕の「囲碁・将棋スクラップ・ブック」を捨てた。

【3】他にもっと大事なこと?

何だろ?
私は、父にも誰にも尋ねることができなかった。

理由は、その後50年も経過して判明した。
同時に、「あの時父は、何を言いたかったのか?」を考えた。

① 「おい、こんなことやってたらダメだろ。学校の勉強しろ」
  → これは無いかも。成績優秀だったから。

②「おい、こんなことやってたらダメだろ。宿題やったのか?」
  → これはあるかも。
    夏休みの宿題を8月31日に父にやってもらったし、
    普段の宿題もほとんどやらなかったから。
    学校からも「宿題をさせてください」と、親に連絡が
    あったのかも。

③ 「おい、こんなことやってたらダメだろ。体鍛えて、喘息を治せ」
  → これはあるかも。

④ 「おい、こんなことやってたらダメだろ。囲碁・将棋の本を読め」
  → これはあるかも。

⑤ 「おい、こんなことやってたらダメだろ。対局して学べ。
   引っ込み思案を克服しろ」
  → これはあるかも。

⑥ 「おい、こんなことやってたらダメだろ。俺と対局してくれ」
  → これはあるかも。
    実は、息子と遊びたがっていた?
    寂しかったのかも。
    母は末っ子。
    「末っ子の婿」として、何かと肩身の狭い・時には屈辱の日々
    だったのかも。


【4】囲碁・将棋とお別れ

「他にもっと大事なこと」がわからない・誰にも訊けない。
囲碁・将棋とお別れした。


【5】父にも誰にも訊けない理由


私は、幼稚園時代のトラウマが根強い。
父は、ある意味「海原雄山タイプ」だったかも。
世代も近い。

そう言えば、
・私が少女漫画を読んでいると、怒った

もう、父は他界している。
「あの時父は、何を言いたかったのか?」
永遠の謎?

このエピソードをきっかけに、
私自身も「本音を言わず、相手への問いかけに変換する」という
自分で責任を取らない人間になった。
父に対しも「言わせよう」のスタンス。


【6】理想を言えば

理想を言えば、
「おい、こんなことやってたらダメだろ。
 他にもっと大事なことがあるだろ」
ではなく、
「プロの囲碁・将棋をスクラップしてるのか。
 すごいな、ユニークだな。(私を肯定・褒める)
 これを見ながら、一緒に並べてみようよ(成長に寄り添う)
 強くなれるぞ(目標を提示)



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