リズミカル過ぎる算数
幼稚園当時、工場の中の社宅に住んでいたから、僕は工場に勤めるお兄さん・おじさん達のアイドルだった。
僕が具合が悪くて寝ていると、工場のお兄さん・おじさん達が一人二人とお見舞いに来てくれた。
その中のある一人のお兄さんが、よく算数の問題を出題してくれた。
それは、僕の計算能力が向上して二桁同士の足し算を始めた頃のことだった。
「十足す十五は?」
と問われて考え込んでしまった。
お兄さんの言い方がリズム良かったものだから、何か凄く特別な問題を出題された気分になりオロオロした。
「じゃあ、十五足す十はわかるよね?」
それはわかっていた。
十を足すということは、十の位の数字をひとつ増やせば良いと理解していたから。
「二十五!」
と僕は答えた。
「うんうん。じゃあ十足す十五は?」
さぁて、これがわからない。
お兄さんの出題する声が、
「じゅうたすじゅうご
→ たーたかたーた」
というリズムに聴こえて、計算が出来ない。
ぜひ、ご視聴ください。
「十五を足すってことは、十の位をひとつ増やして、
一の位を五増やすんだよ。わかる?」
「うん! わかる! 十の位の十にひとつ増やして二十になるでしょ?
一の位を五増やして二十五!」
僕は正解にたどり着いた。
「足し算の時は、前と後ろを逆にしても答えは同じなんだよ。
十五足す十も十足す十五も同じだよ」
ということで、病弱な僕はどんどん頭が良くなっていった。
『【じゅうたすじゅうご】というリズムに囚われてしまった』ということは、ある意味で良い個性だと思う。
文字列の意味だけを捉えるのではなく、『言葉のリズム感』に幼少期から興味を持っていた証拠だと思う。(※1)
その後、小学校・中学校・高校・大学、
社会人と、僕の人生は波瀾万丈だ!
(続く)
※1 ASDの特徴を持つ子どもや大人にも、同じことが言えるかどうか?
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