高校時代、自転車通学のきつい上り坂が教えてくれたこと
高校時代、私は自転車で40分かけて通学していました。
今振り返ると、なかなか長い時間です。
毎日それを当たり前のように続けていたのだから、あの頃の自分は思っていた以上に頑張っていたのかもしれません。
通学路の途中には、きつい上り坂がありました。
あれが当時の私にとって、いちばんの難所だった気がします。
高校に入ったばかりの頃は、最後まで自転車に乗ったまま上ることができませんでした。
途中でどうしても苦しくなって、自転車を降りて、押しながら坂を上っていたんです。
朝からそれだけで息が上がって、学校に着く前から少し疲れてしまう日もありました。
でも不思議なもので、毎日続けているうちに少しずつ体力がついていきました。
最初は長く感じていた40分も、少しずつ自分の中で当たり前になっていった。
そして通い始めて2ヵ月ほど経った頃、あのきつい上り坂を、自転車から降りずにそのまま上りきれた日があったんです。
あのときのことは、今でも少し覚えています。
誰かに褒められたわけでもないし、大きな出来事でもない。
でも、自分の中では確かに、できなかったことができるようになった瞬間でした。
あなたにも、当時はただ大変だったのに、今思えばちゃんと自分を作っていた時間ってありませんか。
高校時代の思い出と聞くと、部活や行事、友達との出来事を思い浮かべる人が多いのかもしれません。
もちろん、そういう時間も青春だったと思います。
でも私にとっては、毎朝自転車をこいで、あの坂を越えていた時間も、まぎれもなく青春の一部でした。
暑い日もありました。
朝から日差しが強くて、学校に着く頃には汗をかいていた日もあった。
寒い日は手がかじかんで、風の冷たさに肩をすくめながら走っていました。
それでも毎日同じ道を進んでいくうちに、その景色は少しずつ自分のものになっていった気がします。
当時は、ただ通学しているだけのつもりでした。
遠いな、大変だな、今日も坂がきついな。そんなことを思いながら走っていた日も多かったと思います。
でも今になると、その何気ない繰り返しが、自分の中にちゃんと残っている。
毎日少しずつでも前に進めば、最初は無理だと思っていた坂も、いつか乗り越えられる。
あの通学路は、そんなことを言葉ではなく、体で教えてくれていたのかもしれません。
大人になると、目に見える結果や分かりやすい成果を求めがちです。
でも高校時代のあの坂を思い出すと、成長というのはもっと静かに、気づかないうちに積み上がっていくものなのだと思います。
最初は降りて押していた坂を、ある日、何事もなかったように上りきれるようになる。
あの小さな変化こそ、今振り返れば、青春のいちばんきれいな形だったのかもしれません。
もし今、あの道をもう一度走ったら、当時よりずっと息が上がるかもしれません。
それでもきっと、あの坂の前まで来たら思い出すはずです。
苦しくても進んでいた日々は、気づかないところでちゃんと自分をつくっていたのだと。
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