【自動販売機の思い出】なけなしの120円で当たりを出してもう1本ジュースをゲットしたささかやな幸せ🙂
今回は小説風のショートストーリーで書いています😺
ちょっとした隙間時間に、私が体験した「自動販売機の思い出」に浸っていってください😊
本編
真夏の午後、アスファルトがゆらゆら揺れて見えるような、うだるような暑さだった。
ポケットの中をまさぐると、コインが2、3枚カチャリとぶつかる音がした。
全部で120円。昨日の帰りに、なんとなく財布に入れずにいた小銭だった。
喉はカラカラ、頭の中は「冷たい炭酸」のことでいっぱい。
けれど、この120円を使ってしまったら、夜にコンビニで何か買うこともできない。
そんなことを考えながら歩いていると、街角の古びた自動販売機が目に飛び込んできた。
どこにでもある、ちょっとくすんだ白い自販機。
でも今日は、そこに並ぶジュースたちが宝石みたいにきらきらして見えた。
迷ったのはほんの一瞬だけ。
「いいか、もう。今日は特別だ」
そう自分に言い聞かせて、120円をコイン投入口に入れた。
選んだのは、オレンジ色の炭酸ジュース。子どもの頃から好きだったやつだ。
ゴトン、という音とともに落ちてきた缶を手に取り、すぐにプルタブを引く。
冷たさが指先に伝わり、ひとくち飲んだ瞬間、シュワッとした爽快感が喉を駆け抜けた。
「はぁー、しみる……」
と、そのときだった。
販売機のディスプレイがピカピカと光りだし、数字がぐるぐる回転しはじめた。
「え、なに?」
目の前で、数字がぴたりと止まる。
7・7・7。
「……うそでしょ?」
次の瞬間、もう1本、別の缶ジュースがゴトリと落ちてきた。
「マジかよ!当たるなんて微塵も思っていなかったぜ」
思わず声が出る。思わず笑ってしまう。
誰も見ていない道端で、ひとり。
当たりなんて期待もしてなかったのに。
ベンチに腰を下ろして、落ちてきた缶を手に取る。
さっきより少しだけ冷たく感じる風が、額の汗をやさしく撫でていった。
たった120円でジュースが2本。
でも、それ以上にうれしいのは、このなんとも言えない気持ちだった。
「こういうの、久しぶりかもな」
日々の忙しさに紛れて、忘れていた「ちいさな幸せ」。
今日は偶然、それが自販機の中から転がり出てきた。
空を見上げると、青がどこまでも広がっていた。
この暑さも、今日だけはちょっといいものに思える。
もう1本の缶を開けて、ごくん、と喉を鳴らす。
ほのかな炭酸の甘さが、心までじんわり沁みていった。
なんてことない夏の一日。
でもきっと、こういう日が、あとになってふと思い出されるんだろうな。
あとがき
今回は自動販売機の思い出について体験談を交えショートストーリーで表現していました。
自動販売機でもう1本ジュースが当たる確率は某有名メーカーに勤めていた人でなければわからないと思います。
知っていたとしてもたぶん企業秘密だと思うので口外することはないでしょう。
どうか、あなたにも小さな幸せが訪れることを願います🙂
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