個性と書いて、戦略と読む― トマトをメロンにしようとするな ―
「トマトにねぇ
いくら肥料をやったってさ
メロンにはならねんだなあ」
相田みつをのこの言葉は、一見やさしい。
だが、現場で読むと、これはかなり残酷な真実だ。
なぜなら、多くの人がやっているのは
「トマトにメロンの肥料を与え続ける仕事」だからだ。
評価制度。
教育制度。
人材配置。
そのほとんどが、こうなっている。
・平均に寄せる
・弱点を補う
・足りないものを埋める
一見、正しそうに見える。
だが、これが最大の罠だ。
トマトは、いくら頑張ってもメロンにはならない。
だが同時に、
トマトは、メロンには絶対に出せない価値を持っている。
ここを見誤ると、組織は壊れる。
現場でよくある光景がある。
営業が苦手な技術者に、営業研修を詰め込む。
管理が苦手なプレイヤーに、マネジメントを押し付ける。
結果どうなるか。
本人は苦しみ、
成果は出ず、
組織は疲弊する。
これは努力不足ではない。
根性論でもない。
設計ミスだ。
人材育成とは「できないことをできるようにすること」だと思われている。
違う。
人材育成とは、「勝てる場所に配置する設計」だ。
強みとは、努力して作るものではない。
すでに“あるもの”を見抜く力だ。
そして経営とは、その強みを
成果に変換する構造を作ることだ。
ここで一つ、厳しい話をする。
「何でもできる人材を作りたい」
これは理想でもなんでもない。
ただの思考停止だ。
何でもできる人材は、何も尖らない。
尖らない人材は、
市場では代替可能な存在になる。
つまり、価格競争に巻き込まれる。
逆に言えば、
トマトとして尖った人間は、
トマト市場で無双する。
ここで問いたい。
あなたの組織は、
メロンを量産しようとしていないか?
そしてその裏で、
トマトを潰していないか?
JUKOhはこう定義する。
個性とは、性格ではない。戦略である。
個性を尊重するとは、
「好きにやらせる」ことではない。
勝てる場所を見抜き、そこに集中させることだ。
最後に、決め台詞を置く。
トマトをメロンにするな。トマトを市場の主役にしろ。
人は変わる。
だが、方向は選ばなければならない。
そして組織は、その方向を決める責任がある。
※本稿は「逆境と書いて風の起点と読む」とは別軸の、JUKOh哲学として記す。
■追記
現場改善・人材育成の整理は、普段顧問先でも行っています。
もし同じ課題を感じている方がいれば、個別での壁打ちも可能です。
