見出し画像

最大の敵は「理解したつもり」という壁──読解力がないと悩んでいるあなたへ

著者:山口拓朗/提供:SBクリエイティブ

 読解における最大の敵は何だと思いますか?
 それは「理解したつもり」になってしまうことです。
「理解したつもり」とは、言い換えるなら、「それ以上に理解すべきことは何もない状態」です。
 本当に、それ以上に理解すべきことはないのでしょうか?

SNSでも反響の声、続々!

 まずは、次の文章を読んでみてください。

【情報1】東京都のA地区は、近年、商業施設の増加により人口が急激に増えています。

 情報1を額面通りに読解したうえで、「人口が減少しているこの時代に、人口が急増しているのは驚くべきことだ」「A地区、頑張っているなあ」「パッとしないほかの地区も、A地区をモデルケースにすればいいと思う」という考えや意見に至る人もいるでしょう。

 これらが、ひとつの理解であることには違いありません。
 では、もうひとつ情報をお読みください。

【情報2】A地域に昭和時代からあったアーケード街の店舗は、新しい商業施設のオープンに伴う客足の減少や売上の低迷などの影響を受け、この5年で実に4割が閉店に追い込まれました。
 また、新しい商業施設ができてから、周辺の道路渋滞や治安悪化などの問題が生じました。

 情報2を知ったことで、A地区に対する印象が変わった人もいるでしょう。もちろん、限られた情報を適切に読み解く力は重要ですが、それだけでは「◯◯を理解した」とは言えません。

 むしろ、私たちが理解している(と思い込んでいる)物事のほとんどが、実は物事のある側面、ある見方のみを捉えているにすぎません。

 読解力が高い人たちはいつでも、自分が「理解したつもり」の壁の前で停滞していないか、自身を厳しく監視しています。

 深い理解を目指しながらも、一方で、「理解したつもり」にならないよう意識を強めているのです。

 あなたが立つべき立場は、ただひとつです。
 それは、どんなときでも「理解したつもり」にならないこと

 言い方を変えるなら、「わからない」状態を大事にすること
「わからない」ことを自覚しているから、私たちはその対象への理解を深めていこうという意欲を持つことができるのです。

 あなたが今理解している状態の先には、「よりわかる」「もっとわかる」の世界が広がっています。
 想像以上に広大な世界です。
 その世界を見に行くためにも、「理解したつもり」の壁を乗り越えていきましょう。

※本記事は『読解力は最強の知性である』の一部を再構成したものです

YouTube「学識サロン」でも詳しく解説!

SBクリエイティブ株式会社
問い合わせ先:https://www.sbcr.jp/contact/
会社概要:https://www.softbankcr.co.jp/ja/info/profile/
プライバシーポリシー:https://www.softbankcr.co.jp/ja/privacy/

本書の目次

第1章 なぜ読解力は最強の知性なのか?
・読解力は知性を司る最強の能力だ
・読解力の低さはビジネスパートナーにとって致命傷である
・なぜ読解力が低下しているのか?
・読解力の3要素は「本質読解」「表層読解」「深層読解」
・ロジック(論理)とエモーション(感情)で読み解く
・読解力を高める5つの基本姿勢
・「問い」は読解力を高める最大のツール
[コラム1]「30分間読書法」のススメ

第2章 読解力の前提となる語彙力を鍛える
・語彙力のある人は読解力も高い
・読書に勝る読解力トレーニングはなし
・ジャンル別読書で戦略的に読解力を向上させる
・読書が苦手な人へのアドバイス
[コラム2]映画や小説で、多種多様な「人」に出会う

第3章 本質をつかむための論理力を磨く【本質読解】
・「本質読解」とは何か
・事例で学ぶ本質の見抜き方
・「アクティブ読解」で最速で本質をキャッチする
・多角的なアプローチで本質に迫る
・キーワード読解で本質をつかむ
・ファクトを見る目で本質をつかむ
[コラム3]本の読解の質を爆上げする「マイブック化」

第4章 「細かい関係性」を理解する【表層読解】
・表層読解とは何か
・まず全体を俯瞰する
・「幹」「枝」「葉」を把握する
・文章の構成パターンを見抜く
・文章読解のテクニック
・接続詞で予測し、把握する
・論理的な構造をつくる8つのグループ
・接続詞以外もチェックする
・語尾からニュアンスを読み取る
・意味段落から流れをつかむ
・【実践編】論理の崩れやズレを見抜く
[コラム4]「置き換え思考」で読解力を伸ばす

第5章 クリティカルに聴く・読む【深層読解】
・深層読解とは何か
・ニュアンスから読み取る
・「理解したつもり」を防ぐ
・人間関係における読解
・認知バイアスに注意する
[コラム5]日常生活で楽しむ「人間読解力」