SEKIRO読書案内
セキロがアニメ化されるということで、セキロにインスピレーションを与えたとされる漫画・小説作品の紹介文を書いてみました。

2019年1月25日のGAMEINFORMERのインタビュー記事において、セキロのディレクターである宮崎英高氏はセキロのボスキャラの一人であるまぼろしお蝶について、山田風太郎の忍法帖シリーズに出てくるような、めちゃくちゃ強いお婆ちゃん忍者を自分のゲームの中にも登場させたかった、と述べています。宮崎氏はそこで山田風太郎の小説作品の例として甲賀忍法帖とその漫画化作品でありアニメ化もされている『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』(全5巻)を紹介しています。
さらにブラッドボーンへの影響も含めて沙村弘明氏の『無限の住人』(全30巻)にいくばくかの影響を受けていると述べています。宮崎氏は『無限の住人』にでてくる武器はかっこいいと述べておられます。
参照元URL https://gameinformer.com/2019/01/25/our-full-hidetaka-miyazaki-sekiro-shadows-die-twice-interview Our Full Hidetaka Miyazaki Sekiro: Shadows Die Twice Interview by Game Informer Editorial on Jan 25, 2019 at 02:00 PM


またセキロが2020年に文化庁メディア芸術祭の優秀賞を受賞した際には、YouTube上で公開された動画(※現在非公開)において書面回答という形で宮崎英高氏は「特定の作品を参考にしたり、強く影響を受けたりといったことはありません」としながらもケレンミ重視の時代劇作品として、山田風太郎氏の『忍法帖』シリーズ、南條範夫氏の『駿河城御前試合』、沙村広明氏の『無限の住人』をあげています。なお南條範夫氏の『駿河城御前試合』には傑作コミカライズである山口貴由氏の『シグルイ』があります。
参照元URL https://jp.ign.com/sekiro-shadows-die-twice/47001/news/sekiro-shadows-die-twice
難度とそれを克服して生まれる達成感は追求していきたいテーマ 『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の宮崎ディレクターが文化庁メディア芸術祭のインタビューで明かす


またセキロ発売前の【台北ゲームショウ2019】でのインタビューで、宮崎英高氏はセキロの忍者像について、山田風太郎的な方向性だとも述べています。
参照元 https://www.inside-games.jp/article/2019/01/27/120126.html

山田風太郎氏は、伝奇小説の大家であり近年では能力バトルモノの先駆者として忍法帖シリーズや『魔界転生』が様々な作家に影響を与えたことで知られています。漫画版バジリスクでは様々な能力を持った忍者達のバトルが描かれています。原作小説も読んでみましたが、山田風太郎氏の作品は登場人物が皆滅んでいく傾向があるようなので、フロムゲーに似ているなと感じる面もあります。


南條範夫氏の『駿河城御前試合』は暴君として知られた江戸時代前期の大名徳川忠長が真剣試合を開くという設定のもとで、様々な因縁をもった剣士がそれぞれの剣の技で対決していくという連作短編小説です。この原作を元にした『シグルイ』は青年マンガ史の傑作のひとつであるといえます。残酷時代劇と銘打たれているだけありその描写は過激ですが、読む手の止まらない面白さです。


『無限の住人』は体内に虫が埋め込まれた不死の主人公という設定のもとで、江戸時代の剣士達を巡る大河的な群像劇ですが、とりわけ『不死解明編』(単行本15巻〜20巻)はセキロを遊んだことがある人ならゲーム内のある部分のインスピレーション元だと感じられると思います。単に過激な描写というだけでなく王道的な勧善懲悪や善悪の観念から逸れたような道徳的な曖昧さを感じさせる側面がある気がするので苦手な方は注意が必要かもしれません。自分は登場人物の振る舞いに引きながらもを中盤から終盤の怒涛の展開に泣けました。傑作。

これらの作品はどれも忍法や剣術を題材にとり激しい戦闘描写を主軸にした時代劇作品ですが、ゲームとは違って過激な描写も多いので苦手な方には注意が必要です。しかしながらどれも異端の名作とも言えるような作品ですので興味を持たれた方はぜひ手にとってみてください。
