D Baits / Gary Dees
ゲイリー・ディーズ(Gary Dees )はオハイオ州ハミルトン出身の元FLWのプロアングラーです。
彼の作るルアーは、B.A.S.S.創設者である レイ・スコット(Ray Scott)にシークレットルアーだと賞賛され、オハイオのバスアングラーに広く愛され、私がnoteの投稿の為にコミュニティサイトを閲覧している過程で、彼の作るクランクベイトへの高い評価から、調査を開始致しました。そんなゲイリー・ディーズが作るルアーブランド「D Baits」について、本稿では自分なりに調べた内容を整理してまとめます。
生い立ち
ゲイリー・ディーズは、高校・大学とバスケットの選手として活動し、大学卒業後、IBA(国際バスケットボール協会)所属の Hamilton Generals にて 1974-75 の1シーズン、プロとして活躍しています。
1975年:バストーナメント(オハイオ州代表)
1975年9月、Lima News 紙の記事に「Gary Dees of Fairfield O., was eighth with 11 Bass weighing 21 pounds 10 ounces. Other members of the Ohio team which finished among the top...」とあり、オハイオ州代表チームの一員としてバス釣り大会に出場し11匹21ポンド10オンスで8位となったことが報じられています。これは、プロバスケットボール選手としての時期と重なっており、本格的なプロトーナメンターとしての活動は、もう少し先の事になります。
釣りと出会った経緯、ルアー製作を始めた正確な時期などについては不明ですが、 D Baits ウェブサイトには、「a secret bait available only to myself and my friends for a couple of years」と記されており、限定的な自家用・知人用製作期間が長く存在したと推察されます。出典:baits.com(Wayback Machine 2005)
1980年:Ohio Bass Tournament Championship 優勝
Ohio Bass Fishing Hall of Fame の Facebook 公式紹介文によれば、ゲイリー・ディーズは 1980年の Ohio Bass Tournament Championships で優勝しており、他にも州レベル・地域レベルの大会で多数の勝利を挙げました。出典:O.B.F.H.F
1995〜1999年:本格的なトーナメント参戦
Major League Fishing(旧FLW)の選手記録によると、ゲイリー・ディーズは 1995年 より Phoenix Bass Fishing League(旧 Wal-Mart BFL / 旧 Red Man)Buckeye Division および Hoosier Division にボーターとして継続的に参戦しています。出典:MLF
1999年、アラバマ州 Pickwick Lake で開催された Red Man 地域戦に出場し、「グレーバック のD Baits」で7位入賞、2000年 Red Man All-American 出場権を獲得しました。本人の手記によれば、1日目10ポンド8オンス(2位)、2日目に他船が好ポイントに先着していた逆境の中、3匹4ポンド7オンスを D Baits で釣り上げ、最終的に7位通過しました。
D Baits ウェブサイトには、当時の意気込みを語ったコメントが掲載されています。
「The All American is May the 8th in Hot Springs Arkansas, and I am looking forward to bringing home the gold for Dixie Marine.」
(要約)「オール・アメリカンは、アーカンソー州ホットスプリングスで開催されます。ディクシー・マリンのために金メダルを持ち帰れることを楽しみにしています。」
※ディクシー・マリンは、オハイオの有名なボートディーラー。
ゲイリー・ディーズのスポンサー。
2002年:Ray Scott による全国的紹介
B.A.S.S.創設者である Ray Scott 氏のオンラインコラム「Tournament Pros Hide Secret: Return of Big-O Type Bait」(2002年)にて、Gary Dees 氏と D Baits が全国に紹介されました。
listen to the muffled whispers among the top pro fishermen about a "hand made balsa wood foil finished crank bait" called the D Bait. It's being heralded with much enthusiasm as the new "secret lure of the pros.
(要約)トッププロたちの間で囁かれていた「バルサ材に箔を貼ったクランクベイト」、通称「Dベイト」。それは「プロの秘密兵器」として、大いに期待を集めていた。
同年2月の Major League Fishing(当時 FLW)の記事「Gnarly cranking(激しいクランキング)」では、FLWのトッププロでD baits プロスタッフのビル・マクドナルド(Bill McDonald )はゲイリー・ディーズを「オハイオ川で最高のシャロークランクの使い手で、参考にしている」と語り、「D Baitsは、最適なシャロークランクのひとつ」と評しています。出典:MLF
2002年トーナメント成績
この2002年はゲイリー・ディーズがトーナメントで最も活躍した年でもありました。以下に主な成績をまとめます。
7月 Wal-Mart BFL Buckeye Division 優勝
※この大会は、MLF アーカイブ記事で低釣果トーナメントとして全国的に報じられています。反面、地元紙Morning Journalでは、「Dees Day」として大きく報じられ、地元人気の高さが伺えます。出典:MLF、Morning Journal
9月 BFL Buckeye Division Super Tournament 優勝
※一部コミュニティ欄で、「D Baits で勝った」とする情報が見られしたが、公式では初日は不明、2日目はスピナーベイトでの釣果であったことが報じられています。出典:MLF
D Baitsの主要ラインナップ
D Bait(DB Shad)
フラットサイド 2 5/8inc Depth, 3 - 5ft
Tiny D Bait(DB Tiny Shad)
フラットサイド 2 inc Depth, 1 - 4ft
DBII
ラウンドクランク(ボディはかなりのフラットサイド)
スクエアビル ※その他情報無し
Deep Diver
※情報無し
材質・製法
バルサ製、全21色(うちフォイル貼りが12色)がwebSiteで確認できます(※DBⅡはオリジナルとは別カラー9色展開)。
オリジナルのリップについては言及がありませんが、写真からレキサン系ラウンドリップに見えます。出典:baits.com(Wayback Machine 2005)
D baitの評価
公式websiteの推薦文には、Red Man tournamentでペアを組んだジェフ・ハーン(Jeff Hahn)という方がこのように記しています。
(要約)D baitは、厚いカバーをスムーズに回避し、そして何よりもバスが良く反応します。カバーの中でゆっくり動かすジグやワームには食いつかないバスが、D baitには食いついてきます。また、ミルフォイルの群生地の上を軽く叩いたり、岩にぶつけたりしても、よく釣れました。
また、Outdoor Life誌のクランクベイト特集記事「These Fishing Lure Makers Are Quietly Keeping an American Tradition Alive(アメリカの伝統を静かに守り続けるルアーメーカーたち)」において、バスマスター・クラシック12回出場の実績を持つビル・ローウェン(Bill Lowen)は、「D Baits」について、同じオハイオ州の著名なバルサクランクビルダーである「Wee Baits」のウェス・イングランド(Wes England)から影響を受けている旨を示唆しています。
D Baisの現在
バスフィッシング コミュニティサイト「BBC Boards」に、こんな書き込みがあります。
「I asked Gary 2 years ago if he was still making crankbaits and he told me no, too much time involved... He told me last year at Dixie's open house that he and his son-in-law were going to start making them... I've asked the guy at the counter at Dixie if they have any and the answer is always no... Last I heard Gary was no longer working at Dixie...」
(要約)「2年前にゲイリーに、まだクランクベイトを作っているか尋ねたところ、もう作ってないと言われたんだ……去年、ディクシーのオープンハウスで、彼と義理の息子が作り始める予定だと聞いたんだけど……ゲイリーはもうディクシーで働いていないらしい……」
トーナメンターを引退してからゲイリー・ディーズは、ディクシー・マリンで働いていたようです。また、義理の息子さんと共同で生産再開の計画があったようですが、実現はしなかった模様です。
オハイオバスフィッシング殿堂(Ohio Bass Fishing Hall of Fame)
2024〜2025 年に発足した同殿堂において、ゲイリー・ディーズは 2026年クラス・ファイナリスト に選出されました。
14名のノミネートリスト中に、ゲイリー・ディーズは名を連ねています。
正式殿堂入りは2026年5月30日に発表予定※未確認(本レポート作成時点で結果未公表)。出典:facebook
6/14追記
残念ながら、殿堂入りは来年以降になってしまったようです。出典:facebook
入手可能性
日本市場ではバスプロショップ ナイルにて DB SHAD の販売実績がありましたが、現在は SOLD OUT 表記になっています。
本稿執筆時点では、国内オークションサイトおよびebayなどでの販売は確認出来ませんでした。
まとめ
ゲイリー・ディーズは、オハイオ州 出身のトーナメンターで、1990年代に自作バルサ製クランクベイト「D Bait」を 立ち上げました。
2002年にレイ・スコットが「シークレット」称賛したことを契機に、Ohio River 系アングラーに支持されました。
2002年の BFL Buckeye Super Tournament 優勝に象徴される競技者としての実績を残しながら、クランクベイトビルダーとしての功績は両輪をなし、2026年には Ohio Bass Fishing Hall of Fame のファイナリストにノミネートされました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本稿は、公開されているオンライン情報源、フォーラム投稿、EC商品説明、追悼記事、そしてルアーコミュニティの証言をもとに作成しました。二次的な証言も多く用いているため、不正確な情報が含まれている可能性があります。
出典・参考
https://majorleaguefishing.com/anglers/gary-dees-177860/
https://www.bassresource.com/bass_fishing_123/bfl-patoka-6412.html
https://www.bassresource.com/bass_fishing_123/bfl-ohio-91012.html
https://tackleunderground.com/topic/6255-lurehardware/
https://tackleunderground.com/topic/31057-must-have-lures-for-a-lurebuilder/#comment-252183
https://www.facebook.com/p/Ohio-Bass-Fishing-Hall-of-Fame-61572630087012/
https://www.facebook.com/p/D-Baits-100057630452184/
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