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言うだけはタダだから、自分の考えを主張しよう

若い頃にヨーロッパで4年ほど大学生活を送ったのですが、その時に、日本はいかに物事が円滑に進む国なのか気づきました。イタリアで郵便物が届かなかったり、届いても小包みの中身が抜き取られて外側だけ。フランスでは毎年夏になるとストで飛行機が飛ばない、イギリスでも地下鉄が同様にストで動かない。

また、大学や役所などの公的機関は事務手続きに時間がかかり、ようやく手続きがすんだと思ったら、登録間違いがあったり。「おい、経済学部の学生が、言語学の授業を申し込むか?」と言う感じです。

これらの経験から日本の円滑なオペレーションのありがたさを知ったと同時に、ヨーロッパでは人をあてにせず、自分から積極的に行動を起こし主張していかないと、自身の目的が果せないことを学びました。

また、徐々にヨーロッパの状況をポジティブに捉えられるようにもなりました。理由は、規定のルール外のことでも、主張により相手を説得できれば、こちらの要望が通ることがよくあるからです。

主張して説得しようという姿勢は仕事でも、特に外資系企業や柔軟な日系企業では有効です。今日は自身が積極的に主張し交渉することによって、社内規定やルールにとらわれずに物事を進めることができた時の経験をお話しします。

目次

  1. 主張が通れば、社内ルールにも例外が適用される

  2. 今は受け入れられなくても、布石を打つ

  3. まとめ


1.主張が通れば、社内ルールにも例外が適用される

米系企業に長年勤めていたのですが、社内に正式な規定や原則はあるものの、解釈や条件によっては例外が適用されることがよくありました。(もちろん不正はだめです。)そのため、自分も含め管理職の多くは、最終的に会社の価値増大につながる提案であれば、社内の原則に沿っていなくても「ネゴシャブル」(交渉可能)で経営陣を説得し、承認を得られると考えていました。

ある時、ブラジルに市場調査のため出張に行く際に、経営陣から今年は会社全体で出張人数に制限があるため、今回は自分を含め2人までと言われたことがありました。当時私はプロジェクトのリーダーをしており、部下のメンバーを2人とも現地に連れていきたいと考えていました。というより、残された部下の人の気持ちや、その後の仕事に対するモチベーションを考えたら、チーム全体の3人で行く以外に選択肢はありませんでした

そこで経営陣に2人でなく3人全員で出張するための交渉の仕方を考えました。

3人で出張する根拠は。。。

  • 会社にとって最重要プロジェクトであること

  • メンバー全員が現地で市場を直に理解し、プロジェクト成功の精度を高める。

  • プロジェクトチーム全体のモチベーションと一体感が高まる。

  • 社員満足度を高める。

特に最後の社員満足度は、米系大企業の株主や経営陣が非常に気にする指標なので、あえて含めました。

ただ、経営陣もこれだけでは承認してくれるほど甘くありません。そこで、「3人で出張するが、2人分の出張予算に納めること」を条件に含めました。

具体的には、「最短飛行のアメリカ経由でなく、長時間フライトのヨーロッパ経由の安いチケット」を提案しました。

これにより、費用は社内ルールの予算内におさめながらも、プロジェクトとの一体感や社員のモチベーションアップが望めるため、「この出張のROI(投資効果)が最大化できる」と主張し、無事承認を得ました。

出張自体は現地に着くまでに12時間のフライトが2本続いたのでかなり疲れましたが、その疲労感さえも良い思い出になりました。その後のプロジェクトにチームとして情熱を持って挑めたので、社内ルールにとらわれず、主張して良かったと思っています。


2.今は受け入れられなくても、布石を打つ

30代の頃に社内の海外支社に異動を試みたことがありました。ロンドン支社で担当者が産休と育休のため、1年限定の空ポジションが社内公募された時です。

これを見つけた時に、良い機会だから挑戦したいと思ったのと同時に、部署に人材が足りていないから、絶対に上司はOKしないだろうとも考えました。

そこで、短期的には無理でも、将来的に海外支社で働く機会が必ず持てるように、この公募を利用し布石を打ちました。

まず、上司と話す前に、現地の担当者に半年では無理かを確認しました。もしかすると、1年は無理でも半年なら上司が承認する余地があると思ったからです。残念ながら、現地からの返事はNOでした。ただそれも想定内です。

上司に応募の話をしたところ、案の定、承認されませんでした。理由を聞いたところ、1年も私の抜けた穴をカバーできない、3ヶ月や半年ぐらいなら考えてもという回答でした。そこで、実は半年で先方と交渉したけれども断られたことを伝えたところ、上司は「おっ、きちんと部署の状況を理解してくれていて、事前に先方に期間短縮の可能性を確認したんだな。」とポジティブに捉えてくれました。また、私が情熱を持って海外勤務を希望してくれていることが伝わったようでした。

幸い、その2年ほど後に、スペイン支社から自分に期間限定プロジェクトへの参加の打診がありました。この時には日本の経営陣も、私が海外業務に興味があることを何年も前からアピールしていたため、特に交渉をすることもなく、快く送り出してくれました。

この経験から、たとえ短期では叶えられない個人の要望でも、長期的な視点で、上司や会社に情熱を持って交渉し、その間に実績を作ったり、信頼を得ることにより、最終的に自分の要望が受け入れられることを学びました。

また、長期的な観点で自分の希望を主張するのは、異動などにも使えると思いました。ダメ元でも良いです。今は無理でも将来を見据えて、早い段階で自身の要望をアピールしておくと良いでしょう。それにより、どのような条件を揃える必要があるか、自分の能力に何が足りないかなどが見えてきます。 

3.まとめ

以上が過去に、自分の要望を自分なりに工夫して主張したり、時間をかけて交渉した時の経験になります。

冒頭で触れたように、欧米は日本と違って、公的機関でさえ、事務手続きなどがスムーズに進まない反面、ルールや手順がユルい分、柔軟性があり、こちらの交渉の仕方次第では例外的に主張が受け入れられることがあります。

これからは日本もテクノロジーの進化や経済環境の急速な変化により、今までのような既存のルールやフレームワークだけでは対応できなくなり、柔軟性が求められるようになるでしょう。

それを踏まえ、会社でも社会でも、ご自身の意見を主張したり、交渉してみると良い思います。言うだけはタダなので、長期的な視点であれこれ試してみてくださいね。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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