印が揃ったレースを買ってはいけない。合意230円・造反2,130円の構造
全員一致の◎は、なぜ飛ぶのか。そして飛んだ本命の脇で、なぜ21.9倍が獲れたのか。今週はこの2つの問いを、数字で解体する。読み終わったあなたの新聞の読み方が、一段変わる話のはずだ。
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■第1章|「最も歪みを含む組合せ」が、そのまま来た夜
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6月5日、19時5分。船橋9R、ほたる特別。
私のシステムは6つのAIで合議する。Opus 4.8、GPT-5.5、Gemini 3.5 Flash、Claude (Sonnet 4.6)、Gemini (2.5 Pro)、ChatGPT (o4-mini)。この夜の本命は3番ゴッドトレジャー。6者のうち4者が◎を打った、3連勝中の上がり馬だった。
ただ、私は前日の予想記事に一行を書き残していた。4番手評価のスノーライトニング絡みの「3-12・6-12・4-12のラインは、6点の中で最も歪みを含む組合せとして意識したい」と。通算連対率14%の伏兵が、1か月前のレースで本日の3番手を直接破っている。市場はその事実を値段に織り込まないだろう、という読みだった。
結果。直線、人気どころが手応えをなくす中、内から12番スノーライトニングが伸び、追い込んだ6番ボールドチャーが2着に届いた。掲示板に灯った馬連6-12は2,190円。21.9倍。4者が推した本命ゴッドトレジャーは、馬券圏外に消えた。
本命は飛んだ。それでも、獲れた。この日の私の3戦略は、全買い146.0%、境界値168.5%、推奨値273.4%。フィルターを強めるほど回収率が上がる設計通りの並びは、5月の川崎、大井に続く3度目だ。メインではシニスターミニスター産駒のゼウスビスティーが突き抜けたが、今週書きたいのは勝ち自慢ではない。全員が推した馬が飛び、評価の割れた馬が払い戻しを生む。この競技の、構造の話だ。
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■第2章|合意の値段は、230円だった
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今週、過去の予想ログ約120レース分に、ある集計を回した。6つのAIのうち何者が同じ馬に◎を打ったか。その「集中度」ごとに、成績と配当がどう変わるかという切り口だ。
結果を並べる。
・6者全員が一致した◎(4例): 連対率50.0%、連対した時の馬連は平均230円
・5者が一致した◎(12例): 連対率75.0%、平均1,932円
・4者が一致した◎(16例): 連対率50.0%、平均602円
・1者だけが推した◎(288例): 連対率33.3%、平均2,130円
先に断っておくことが2つある。この平均配当は「その馬が馬連に絡んだ時、決まった組合せにいくらついたか」という記録であって、事前にその組合せを1点で買えたという意味ではない。それから、6者一致はわずか4例しかない。この母数で何かを断定するつもりはないし、来週、目の前の開催で前向きに確かめる(第5章で宣言する)。
その留保を置いた上で、方向は鮮明だ。合意が増えるほど、配当は安くなる。全員一致は230円。1者の造反は2,130円。約9分の1まで、合意は配当を潰していた。
もう一つ、連対率を見てほしい。6者一致の50%は、5者一致の75%を下回っている。全員一致は、安い上に、思ったほど堅くもない。「みんなが本命と言う馬は鉄板」という直感は、この120レースの中で二重に裏切られていた。
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