韓国地上波3社がWBCを同時中継、国民のリモコン選択権が奪われる

昨日と今日行われたWBC強化試合において、韓国では地上波3社が同時に生中継するという、異例の熱気に包まれています。
韓国の地上波は3社・4チャンネル体制です。国営放送のKBSが「KBS1」と「KBS2」の2チャンネルを持ち、民間のMBCとSBSがそれぞれ1チャンネルずつ運営しています。KBS1は報道や教養、ドキュメンタリーの専門枠であるため、実質的にスポーツ中継が可能なすべてのチャンネルがWBCに割り当てられている状況です。
驚くべきは、本戦ならいざ知らず、強化試合や第三国同士の対戦(台湾対チェコ戦など)までもが3社同時に放送されている点です。試合時間中、視聴者には「どの解説者を見るか」という選択肢しか残されていません。
これほどまでのWBC熱は、一体どこから来ているのでしょうか。今、韓国で起きている「WBCフィーバー」の背景を解説します。
WBCは全世界のスポーツの祭典へ。今まさにテーク・オフの時
この熱狂は、決して韓国だけのものではありません。WBCは今、世界的なスポーツイベントとして大きく飛躍しようとしています。
実は前回の2023年大会から、それまでとは比較にならないほどの盛り上がりを見せていました。当時、最も熱狂していたプエルトリコでは、テレビ視聴率が60%を超えるという驚異的な記録を打ち立てています。エンターテインメントが多様化した現代において、この数字は極めて異例です。そのモメンタムが、今大会にもそのまま引き継がれていると言えるでしょう。
ニューメディアに対抗するテレビ局のプライド
もう一つの要因は、既存メディアの危機感です。 日本では今回、Netflixによる独占配信が話題となっていますが、韓国でも「TVING」などの動画配信サービスの勢いが凄まじいものがあります。
さらに韓国では、巨大資本の傘下にあるケーブルテレビ局の「JTBC(中央日報グループ)」が、冬季五輪やFIFAワールドカップの中継権を独占契約するなど、地上波の牙城を脅かしています。こうした背景から、既存の地上波3社としては「WBCだけは譲れない」と勝負をかけた格好です。
野球のさらなる普及を願って
私は野球と野球の国際大会を大好きですので、こうした盛り上がりは非常に嬉しいです。この熱狂が中南米や極東だけでなく、今後は欧州など世界中に波及していくことを期待します。
