ワールドカップシリーズ31 怯えるイングランドを飲み込み、王者アルゼンチンが2大会連続の決勝進出。
イングランド🏴1 ー 2🇦🇷アルゼンチン
イングランドが先制した瞬間は流れが変わるかと思われた。しかし、王者アルゼンチンはまったく慌てなかった。
ボールを握り直し、クロスを起点にイングランドを押し込み続ける。徐々に守備ブロックを自陣へ押し下げると、最後はエンソ・フェルナンデスのミドルシュートで同点。さらに終了間際、リオネル・メッシのラストパスからラウタロ・マルティネスが決勝点を奪い、2-1で逆転勝利を収めた。
苦しい展開でも冷静に試合を支配し、最後は必ず勝ち切る。この王者らしい強かな振る舞いこそ、現在のアルゼンチン最大の強みなのかもしれない。
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前半 激しい球際の攻防。互いに一歩も譲らない45分
試合は予想通り、非常にインテンシティの高い展開となった。
フランス対スペインのような、お互いポゼッションを意識してか、ゆったりとスローテンポになった試合とは対照的に、この試合は球際の激しさとデュエルの連続。両チームとも中盤で激しくぶつかり合い、簡単には前を向かせない。
因縁のある対戦だけに両チーム熱くなり、小競り合いが頻繁に起きていた。
まるでかつてのベッカムとシメオネのフランスワールドカップの因縁を思い起こさせるゲームだ。
ケインとメッシがともに中盤へ降りて数的優位を作ろうとし、互いに3センター同士が激しく潰し合う”ミラーゲーム”の様相となった。
その結果、決定機はほとんど生まれない。
35分にケインのヘディングシュートが最初のチャンスとなったが、それまでシュート数以上に見応えのある攻防が続いた。
ライス、リサンドロ・マルティネスにはイエローカードが提示されたが、この試合展開でそれだけしかカードが出なかったのは、レフェリーのゲームコントロールも見事だったと言える。
スコアレスながら、準決勝にふさわしいハイレベルな45分だった。
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後半 イングランド先制。しかし…
後半立ち上がりはアルゼンチンが主導権を握る。
フリアン・アルバレスが積極的に中盤へ降りて起点となり、前半以上に押し込む時間を作った。
しかし先制したのはイングランド。
ライスの素早いトランジションからロジャースが右サイドを突破し、最後はゴードンがゴール前へ飛び込んで先制点を奪う。ライスのカバー、ゴードンの絶妙なゴール前の侵入は素晴らしかった。
この失点はアルゼンチンにとっては痛かった。
一方で、シメオネが抜け出した場面ではスペンスが完璧なスライディングで阻止するなど、イングランドも集中した守備を見せていた。
ストーンズも高さとカバーリング能力を発揮し、中央からの攻撃を跳ね返し続ける。
しかし
勝敗を分けた”守りすぎたイングランド”
先制後、なぜかイングランドは徐々にラインを下げ始める。
守備的な交代策も重なり、自陣へ押し込まれる時間が増えていった。
アルゼンチンはその状況を見逃さなかった。
クロス攻撃を徹底し、立て続けに決定機を創出。ピックフォードの好セーブで何とか耐えていたが、押し込まれ続けた代償は大きかった。
85分、引きすぎたことでバイタルエリアにスペースが生まれる。
メッシからパスを受けたエンソ・フェルナンデスが得意のミドルシュートを突き刺し、ついに同点。
この失点は、日本対ブラジル戦で日本が受け続けた展開とも非常によく似ていた。
日本のサッカーファンはこの展開をおぼえていることだろう。
守備を固めれば固めるほどラインが下がり、相手に押し込まれ続ける悪循環である。
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王者の猛攻。逆転は時間の問題だった
同点後もアルゼンチンの勢いは止まらない。
マック・アリスターのシュートがポストを叩くなど、決定機が次々と訪れる。
一方のイングランドは完全に受け身となり、メッシへのプレッシャーも弱まっていく。
そして終了間際。
メッシが右サイドで時間を作ると、絶妙なクロスをラウタロ・マルティネスへ供給。
冷静に流し込み、アルゼンチンが逆転に成功した。
劇的なゴールではあったが、内容を見れば必然だった。
押し込み続けたアルゼンチンと、守り続けたイングランド。その差が最後に結果として表れた。
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気になった選手
デクラン・ライス
世界最高峰の守備的MFであることを改めて証明した。先制点の起点となり、守備でも驚異的な運動量を披露。しかし、後半はチーム全体が押し込まれる展開となり、その奮闘は報われなかった。
ジョーダン・ピックフォード
スーパーセーブを連発し、何度もチームを救った。敗れはしたものの、この試合の内容だけを見ればイングランドで最も評価されるべき選手だった。彼のスーパーセーブが報われなかったことが残念でならない。
エンソ・フェルナンデス
スペースを逃さず、値千金の同点ミドル。
攻守両面で試合を支え、アルゼンチンの流れを決定づけた。
リオネル・メッシ
ゴールこそなかったが2アシスト。
大一番になるほど決定的な仕事をあたりまえのよする。前半36分の場面の3人抜きは、本当に人間なのかと思わせるほど圧巻のドリブルだった。
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総括
イングランド
敗因は、先制後に守りへ比重を置きすぎたことだ。
押し込まれているにもかかわらず守備的な交代を続けたことで、自ら苦しい展開を招いてしまった。
クロスを跳ね返してもセカンドボールを拾えず、アルゼンチンに攻撃を繰り返される悪循環。
日本対ブラジル戦と非常によく似た試合運びだった。
やはり、トゥヘルを持ってしても、追加点を奪うことより失点の方が怖いのであろうか。
アルゼンチン
戦術という枠組みを超えているチーム。
先制されてから、嵐のような連続攻撃がイングランドを追い込んだ。そして当たり前のように逆転する。2ゴールが終了間際に生まれたので劇的な展開に見えるが、イングランドの様子からしてアルゼンチンが逆転するのは私は見えていた。
王者のプライドなのかなんなのか、どう説明したらいいかわからない。そんなアルゼンチンの強さがわかった。メッシ依存だの、過去に色々話したが、私は少々甘く見ていた。その枠組みを超えるほどの闘争心と他のチームにはないエネルギーがアルゼンチンにはある。
スペインを見る限りまだ、まだスペインの方が優位には見えるが、この流れで連覇を達成しても不思議ではない
