グラニュラー + サイン波ひとつで曲っぽくできるか実験的チャレンジ ▶︎ t|so S-4 音を彫刻するエフェクター
Torso S-4とKORG Nu:Tekt NTS-2 オシロスコープ・キットを使用して動画を撮影しました。
今回は、いつものように楽曲を綿密に構築するスタイルから離れ、
「たった一つのサイン波を
どこまで音楽にできるか」
という
実験的アプローチ
です。
本記事では、そのサウンドがどのように変化していくのかを時系列で詳しく解説します。
なお、本記事の内容はあくまで筆者個人の体験・主観に基づくものです。あらかじめご了承ください。
【 目次 】
・動画の意図
▶︎ クリエイティビティは寄り道に潜む
・KORG NTS-2について
・Torso S-4
・音の変化
①グラニュラーエフェクト 1(00:00〜)
②空間系エフェクト(00:30〜)
③グラニュラーエフェクト 2(01:00〜)
④フィルター(01:24〜)
⑤モジュレーション(02:41〜)
⑥カオスへ
・まとめ
・v2.0リリース
【 動画の意図 】
KORG NTS-2の
シンプルなサイン波のみを
Torso S-4に入力し、
グラニュラーエフェクトやフィルターなどでリアルタイムに音を変化させながら、最終的に
曲っぽくできるかどうかにチャレンジ
しました。
「単純なサイン波だけを使う」という制約で、曲にしていくというのは、まさに修行のような感じでした。そして、展開させていく中で、好きな音になったりならなかったり苦労しました。
けれどオシレーターが単純だからこそ S‑4 で加えた変化がはっきり分かり、結果的に
音作りの引き出しが増えた
のは思わぬ収穫でした。

▶︎ クリエイティビティは寄り道に潜む
少し話がそれますが、個人的に、機材を触りながら浮かんだイメージを音にする瞬間がおもしろいと感じています。
必ずしも完成度の高い曲を作るのではなく、
自由な試行錯誤で音を探る実験
そのものにも興味があります。
その実験的な試みがたとえ上手くいかなかったとしても、
通常の曲作りでは
得られないものを
得ることができる可能性
が高いからです。

例えば、いつも通る道ではなく、目的地からは遠いけれど全然知らない道を通ることで、今まで知らなかったいい感じのお店を発見できることに似ています。
クリエイティビティは、
一見ムダで非効率に思える
寄り道の中にこそ潜んでいる
と思っています。
これからも一般的な価値観では「こんなことをして一体何になるの」というようなことで、興味があることをどんどんやっていきたいと思います。
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【 KORG NTS-2について 】

▼ メーカー公式サイト
サイン波出力に使用したKORG Nu:Tekt NTS-2オシレーターキットについて少し解説します。
この機材は、半田づけなしで簡単に組み立てることができ、電池駆動も可能です。シンセサイザーなどのオーディオ信号をオシロスコープやスペクトラム・アナライザーで視覚的に確認できるほか、チューナーを搭載していたり、
ウェーブフォーム・ジェネレーターを
使用して、オシレーターの出力
も行えます。

プラグインで代用できる場面もありますが、
ハードウェア機材の波形を
サッと確認したり、
シンプルなオシレーターを
使いたい時に便利
だと思い、購入しました。
コンパクトでデザインもよく、価格もリーズナブルですので気に入っています。
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【 Torso S-4 】
S-4については下記の記事をご覧ください。
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【 音の変化 】
動画内で起こる音の変化について解説します。
筆者はS-4について完全に理解しているわけではないため、理解不足な点があるかもしれませんが、その点はご容赦ください。
①グラニュラーエフェクト 1(00:00〜)

変化のないサイン波を曲らしくするためには、
音程の変化が必要
です。
最初にグラニュラーエフェクトを使ってピッチを変えたり、PATTERNで動きを加えたり、SIZEでエフェクト音の長さを調整しました。
WETの量を0から徐々に上げていくと、音の動きが明確になり、変化が分かりやすくなりました。この時点ではWETが約80%ほどで、まだオリジナルのサイン波の音も同時に聞こえています。
また、事前にLFOのモジュレーション(MOD)でピッチなどに変化がつくよう設定しています。
②空間系エフェクト(00:30〜)

リバーブのミックス量を調整すると、音に立体感が生まれ、アンビエントな雰囲気が出てきました。同時に、少しDelayを加えて空間的な広がりを加えました。
③グラニュラーエフェクト 2(01:00〜)
WETを100%に設定すると、エフェクト音だけが残り、曲っぽく鳴り始めました。
SIZEを大きくすると、
音の持続時間が長くなり、
抑揚が出始めました。
④フィルター(01:24〜)
LPFで高域をカットすると、音の輪郭が丸くなり、表情が出てきました。

01:28では、NTS-2のSHAPEを少し上げて、サイン波の立ち上がりを速くしています。これは、フィルターで削った高域のバランスを取るための意図です。
TONEを調整して低域を少し弱め、フィルター全体にWAVEを使って周期的な動きを加えました。
この時点では音の鳴りがシンプルですが、曲としての雰囲気が出てきました。
⑤モジュレーション(02:41〜)
事前に設定していたLFOモジュレーションの設定をさらに変化させることで、音の変化を複雑にしました。

とくにSIZEの値を調整することで、音の長さに周期的な変化を加え、より音楽的な雰囲気を作り出しました。
03:01からNTS-2のSHAPEの値を70から80に上げ、音の立ち上がりを速くし、
音の輪郭をはっきり
させました。
この時点で、
アンビエントな
現代音楽のような雰囲気が
出てきました。
⑥カオスへ

その後、グラニュラーエフェクトの値をさまざまに変更し、05:00頃から徐々に
持続音が重なり合い、カオスな状態へと移行
していきました。

最後は、全体に靄がかかったようにNOISEの量を増やして終わりました。
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【 まとめ 】
シンプルなサイン波であっても、
S-4に通すことで
曲らしい雰囲気を作れる
ことがわかりました。
S-4のモジュレーションを使って周期的な(またはランダムな)変化を加え、グラニュラーエフェクトを中心に自分の好みに合わせて調整すると、いい感じの雰囲気がなりました。
一般的なシンセサイザーのように「このパラメーターを動かせばイメージ通りの音になる」といった明確な指針があるのも面白いですが、S-4のように
最終的にどうなるか分からないまま、
試行錯誤しながら
探りつつ音を作っていく
過程もまたおもしろいと感じています。

S-4は
アンビエントなライブで使うと
偶発的な表現を生む
ことができます。筆者がよく行うのは、レコーディングしたトラックをS-4に通して再度録音し、気に入った部分だけをトリミングして使う方法です。
また、
好みの音や響きを
サンプリングして、
リズムなどに活用するのも
面白いアイデア
だと思います。

2025年4月24日現在、S-4にはまだ搭載されていない機能(ボタンを押すと「coming soon」と表示)がいくつかあります。
【 v2.0リリース 】
2025年6月19日に ファームウェア v2.0 がついにリリース
パフォーマンス向上とクラッシュ回避の最適化などの多くのバグ修正がされた?他、多くの点が改良されました。そして、以下の新機能が実装されました。
・PERFORM: グローバルマクロとパンチインエフェクト。S-4 の 4 トラックすべての任意のパラメータを、8つのスライダーマクロに割り当て可能(ユニポーラ/バイポーラ両対応)。
・SCENE: プロジェクトごとに最大128個のスナップショット(機器の全状態)を保存・呼び出し可能。CHANCE や RULE を使って、シーンを連続またはランダムにチェイン再生可能。
・TEMP: 演奏中に一時的にパラメータを変更し、[TEMP]ボタンで即座に元に戻す機能。
・COPY: [COPY]ボタンでシーン・トラック・デバイスをコピー&ペースト可能。
・DISC: 内蔵ストレージからの直接オーディオストリーミングに対応する新デバイス「MATERIAL」を追加。
・FOLLOW: 新しいエンベロープフォロワーをモジュレーションソースとして追加。内部/外部オーディオを制御信号として使用でき、立ち上がり・立ち下がりの調整、サンプル&ホールド、任意パラメータへの適用が可能。
・Track Launch: ミックスビューから各トラックを個別にスタート・ストップ可能に。従来のトラックミュート機能は [CTRL] 操作へ移動。
これからもS-4を音楽制作に活用していこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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