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愛すべきサマーソニックにおけるヘッドライナーからみる衰退の序章もしくは転換期2025年

 サマーソニック(Summer Sonic)は、毎年8月に日本で開催されるクリエイティブマンが主催する大規模な音楽フェスティバルであるとともにロックを中心としているもののジャンルレスなアーティストをブッキングする私にとっては愛すべき音楽フェスの一つである。
 2000年に初めて開催され、2025年は東京は千葉県のZOZOマリンスタジアムと幕張メッセと大阪は万博記念公演でそれぞれ2日間行われている。私は2010年からサマーソニックには毎年参加している。
 サマーソニックの目玉は毎年発表される2組のヘッドライナーである。過去にはガンズアンドローゼス、レディオヘッド、ナインインチネイルズ、レッドホットチリペッパー、グリーンデイ、ビヨンセ、ファレルウイリアムズ、ケミカルブラザーズ、カルヴィンハリスなど時代の寵児のアーティストを華麗にブッキングしてきた実績がある。
 その上で、毎年、ZOZOマリンスタジアのヘッドライナーの終演後に打ち上げられる花火は非常に胸の沸る熱さとエモさを感じさせる。
 しかし、私的には2024年度からそのヘッドライナーのアーテイストのブッキングに疑義を呈するようになっていた。2024年度に関しては、イギリスで人気の融通無碍に成長を遂げている若干日本贔屓のギークさと作り込まれた演出をするブリンクミーザホライズン、2017年のBeggin'がTikTokでバズった実力派のイタリアのロックバンドマネスキンであった。ここであくまでも私的な評価となるがブリンクミーザホライズンに関してはイギリスでのビルボードチャートの実績から日本の知名度は別にしてヘッドライナーの資格はあったと考えられる。一方で、マネスキンに関しては、本当に実力的には申し分のない演奏力、ボーカルのカリスマ性はあるものの世界的・日本的な知名度的としてはTikTokの一発屋とも取られかねないヘッドライナーであったと考えており、2024年度からサマーソニックヘッドライナーへの疑義の兆候の痕跡はあったと考えている。
 そして、2025年度である。ヘッドライナーはフォールアウトボーイとアリシアキーズであった。
 個人的にはフォールアウトボーイのパトリックスタンプのボーカルの美しさとその安定感はパンクロック界随一と考えている(2025年度のサマーソニックのステージは万全とはいえない印象ではあったが。)ものの、近年、アメリカでヒット曲を出している訳ではなく、日本でも私のような根強いファンはいるものの、日本の知名度としては私的評価ではミドルアッパークラスではないかと考えている。
そして、アリシアキーズはグラミー賞17回受賞し、アルバム世界累計セールス3000万枚と実力的には申し分はないが、アメリカでの大きな活躍は2000年から2010年頃という印象を持っており、近年、アメリカでは安定した地位を確立しているがあくまでも安定した地位である。あとは、私の個人的な経験であるが、日本人において熱狂的で病むに病まれるアリシアキーズファンには今までの人生で一度も出会った事はない。
 そのため、2025年度のサマーソニックのヘッドライナーが私的には適切ではなかったと考えている。
 その上で、私の推測するその原因として、アメリカのライブイベント会社のライブネイションの本格的な日本の台頭と考えている。
 元々、2012年にライブネイションはクリエイティブマンと共同出資で、ライブネイションジャバン合同会社として設立された。しかし、事情はわからないが2014年にクリエイティブマンは少数持ち株分を手放し、ライブネイションはライブネイションジャパン合同会社を完全子会社化した。その後、ライブネイションジャパン合同会社は黒船来襲よろしくという感じで徐々に大規模な超有名アーティストを誘致するようになり、近年ではコールドプレイ、マルーン5、ブルーノマーズ、ビリーアイリッシュなどのライブを成功させ、今後はトラヴィススコット、オアシス、レディーガガなどのライブも予定している。
 そのような背景もあり、クリエイティブマンがサマーソニックに時代の寵児たる超有名アーティストをブッキングしづらくなっているブッキンググローバリゼーションの煽りを受けてる可能性がある。
 ただ、サマーソニックを愛している私としては、この窮状をクリエイティブマンには乗り越えてほしいと切に願う。日本の伝統と安定だけでなく革新のブッキング王たるクリエイティブマンとして、新たなアーティストブッキング方法を検討してほしい。個人的に2025年10月13日に行われる過去に流行したスウェーデンの3組のアーティストのコラボ企画であるスウェディッシュポップカーニバル的な発想への期待である。
 単体では背景が弱いアーティストでもコンセプチュアルに複数コラボさせることによりその1回性的な貴重性を増させることによりヴァルターベンヤミン的なアウラを立ち上がらせるようなサマーソニックだからできるヘッドライナーの復活にただただ期待している。

そんなこんなで次回はロック音楽フェスと高齢化社会を考えていく。

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