Photo by
kazehukaba
私の散歩日記
午前8時過ぎ、散歩用のウォーキングシューズを履く。玄関の扉を開けて深呼吸をする。今朝の空気には刺すような冷たさはない。眉をなぞる空気がいつもより暖かい。
わが家は高台にある。階段を下りながら、中ほどの2平米ほどのタタキで立ち止まる。ここからひょうたん池の錦鯉が見える。。ゆっくりだが、時々バシャバシャと尾びれを揺らして泳いでいる。白と朱、白と黒の錦鯉の数を数える。ちょうど10匹いた。
タタキから階段を降りきると、まずひょうたん池まで行く。鯉たちに、おはよう、と声なき声で呟いてから、私は都立公園めがけて歩く。都立公園を抜け、陶芸工房の横を抜ける。そこを抜けると、水道タンクが見える。その水道タンクの脇は雑木林である。そこを縫うように抜けると、幅1メートル長さ4メートルほどの板橋が架かっている。その板を踏んで渡り終わると、右手に折れる。ここから、私は少し急ぎ足で氷川神社を目指すのである。
氷川神社の鳥居の前で、手を合わせる。
ここ数日は、曽野綾子さんの冥福を祈る。
氷川神社をあとにすると、今度はゆっくり歩く。湧水川沿いの歩道を歩きながら、ヒヨドリの甲高い声を聴く。民家の庭に植えられた沈丁花の奥から微かに音がする。しばらく目を凝らしていると、メジロのツガイで飛び出してくるではないか。
ああ、ドキドキ。
そう、私は呟いて踵を返した。
川下から渡ってくるそよ風は、すっかり春だった。
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます。