見出し画像

漫画が読めなくなった私が久々に心を動かされた一冊「君と宇宙を歩くために」

漫画が読めなくなった理由

最近、漫画があまり読めなくなった。読んでいて普通に面白いのに、続きが気にならず気が付くと放置してしまう。

昔は夢中になった冒険や恋愛の物語が、現実的すぎる日常の中で遠い存在になってしまったのかもしれない。

そんな中、偶然YouTubeである漫画と出会った。1話の途中まで読んだだけで心が大きく揺さぶられ、その日のうちに本屋で1巻を購入した。そのYouTubeがこちら。

あらすじ

不器用で“普通”がうまくできない高校生二人の友情と成長を描いた青春漫画。
主人公の小林は、底辺校に通う勉強もバイトも続かないドロップアウト気味のヤンキー。そんな小林のクラスに、変わり者の転校生・宇野がやってくる。宇野は声が大きく、常にノート(自身の行動ルールやルーティンを書き留めた“命綱”)を持ち歩く独特な少年。大きな声や、マルチタスクが苦手。
ある日、ちょっとした出来事から二人の距離が縮まる。
宇野の「できないことは工夫して乗り越える」姿勢を目の当たりにした小林も、自分を変えたいと行動を始める。正反対の二人が、それぞれの「生きづらさ」や壁に向き合いながら、他者と繋がることで成長していく物語。

発達障害

最初は宇野に焦点を当てたと思いきや、実は小林にも「苦手なこと」があることが分かる。アルバイトでミスや覚えられないことが多く、すぐに辞めてしまう。このあたりの描写がとてもリアル。

宇野の特性は「発達障害」に近いものがあると思うが、漫画では明言されていない。ただ「できないことは工夫して乗り越える」姿が描かれる。

「(学校でからかわれて)悔しくても泣くのは帰ってからにする」とノートに書いて、その通りに家に帰ってから大声で泣く宇野を見て、なぜか私も泣きそうになった。一生懸命まっすぐに宇野が生きていて、心を打たれる。その姿勢に触れた小林も、自分を変えようと少しずつ動き出す。

他者への理解が乏しかった頃

私は割と要領よく生きてきたタイプだった。そのせいか、若い頃は人に対して「なんでこれくらいのこともできないの?」と思うことがあった。なんでこんな簡単な計算できないんだろう。なんで一人で喋っているんだろう。なんで黙ってるんだろう。なんで毎回遅刻してくるんだろう。

今考えると若さゆえに無知で、人への理解がなかった。
大人になるにつれて、世の中には目に見えづらい困りごとを抱えている人が、身近なところに実は沢山いることを知った。

この漫画を読むと、世界の見え方や考え方が、少し変わる。
作中に出てくる“発達障害でない側”の人たちの関わり方もとても優しくて、温かい気持ちになる。参考になるところも多い。

必要なのは理解

少し前に話題になった「ケーキの切れない非行少年たち」という本がある。

この本は非行少年というより「理解されていない軽度知的障害」についての本だと感じた。本書によると、思っているよりも軽度知的障害の人はずっと多い。1クラスに5人くらいの割合だ。

文字を認識するのが苦手、数を量として捉えられない、体の使い方が下手で運動ができない、質問が理解できずコミュニケーションがうまくとれないなど、学校生活では困る場面がある。
学校に馴染めずイジメにあう、あるいは虐待を受けストレスから犯罪を犯したり、流されて非行に走る。少年院でも、そもそも「反省」の意味が理解出来ない。そんな少年達のことが書かれていた。
実際、漫画でも小林が怪しいバイトに誘われ、流されそうになる場面が出てくる。

「本来なら守られるべき子供たちが、障害に気付かれずに成長し犯罪に関わってしまうことは非常に残念。周囲の理解が大切」だとこの本で学んだ。

自分が子供時代にもこういった子は少なからずいた。怠惰なだけだと思っていたが、もしかしたら本人も困っていたかもしれない。大体が悪い友達と付き合うようになっていった。

子どもの頃、周囲にいた“ちょっと変わった子”。彼らは不真面目だったのではなく、単に苦手なことが多かっただけなのかもしれない。
話はそれたが、「他人への理解」について考える助けとして、この本もとても良い本だった。

まとめ

この漫画を読んだら、今よりも周りの人に優しくなれる気がした。夫にも薦めたらめちゃくちゃ共感して、夫婦でハマった。

「マンガ大賞2024 」大賞受賞、「このマンガがすごい!2025」オトコ編 第1位を獲得している。
現在4巻まで発売中。とてもおすすめです。

いいなと思ったら応援しよう!