総選挙の争点その(112)「政府は“何から”先に動くべきなのか」
(112)「政府は“何から”先に動くべきなのか」
「政府が先に動くべきだ」という話をすると、
次に必ず出る疑問がこれだ。
「で、何からやるの?」
これは正しい問いだ。
なぜなら、政府支出は順番を間違えると、効果が薄れるからだ。
結論から言う。
政府は、“一番早く・一番広く・一番確実に効くところ”から先に動くべきだ。
■ 原則:最初の一手は「波及効果」で選ぶ
不況時の政府支出で最も重要なのは、
一円使ったとき、何円分の需要が生まれるか。
つまり、
即効性があるか
広く届くか
民間の行動を引き出すか
この三点だ。
■ 結論①:最優先は「家計の可処分所得」
まず、ここ。
家計に直接届く支出
理由は単純だ。
家計は“使う主体”
収入が増えれば、即消費に回る
消費は企業の売上になる
給付・減税(特に消費税廃止や社会保険料の軽減)は、
最短距離で需要を作る。
「貯蓄に回る」という反論があるが、
それは不安が強いからだ。
不安を減らす支出とセットでやれば、効果は出る。
■ 結論②:次に「雇用と賃金を守る支出」
家計の次は、ここだ。
雇用維持支援
中小企業の固定費支援
賃上げを阻むコストの軽減
重要なのは、
企業に“未来が読める状態”を作ること。
企業は売上と見通しが立てば、
勝手に賃金を上げる。
命令はいらない。
環境整備が仕事だ。
■ 結論③:「安心のインフラ」を同時に敷く
多くの人が見落とすが、ここが極めて重要。
医療
失業給付
住宅
教育
子育て支援
これは“福祉”ではなく、需要安定装置だ。
安心があれば、
使える
挑戦できる
転職できる
結果として、経済が回る。
■ なぜ「大型投資」から始めてはいけないのか
ここで誤解を解いておく。
インフラ投資や研究開発は重要だ。
だが、最初の一手には向かない。
理由は、
効果が出るまで時間がかかる
受注が偏る
家計に届きにくい
だから順番はこうだ。
家計 → 雇用 → 安心 → その後に投資
■ 「財源がないから順番をつける」は逆
もう一つ、致命的な誤解がある。
「全部は無理だから、どれか一つ」
これは家計の発想だ。
政府は、
同時に複数を走らせ
インフレ率を見ながら
強弱を調整する
これが本来の運転だ。
■ 政策は“効くところから”やるだけ
思想はいらない。
勇気もいらない。
必要なのは、順番だ。
家計の可処分所得を増やす
雇用と賃金の不安を減らす
安心の土台を敷く
民間が動き出す
投資と成長が回り出す
これだけだ。
■ 結論
政府が先に動くとき、
最初に動かすべきは「人の行動」だ。
建物でも、数字でもない。
不安を下げ、使える状態を作ること。
次章では、ここをさらに深掘りする。
(113)「“安心を作る支出”が、なぜ最も回収率が高いのか」
【MMT(現代貨幣理論)シリーズ】
「国の借金は危険」「財源がない」
その“常識”、家計の感覚を国に当てはめた誤解かもしれない。
なぜ消費税が日本を30年止めたのか、構造から解説する。
・MMT(現代貨幣理論)その①なぜ「消費税」が日本を30年止めたのか
家計と国家を同一視した瞬間、日本経済は詰む
【MMT(現代貨幣理論)塩入議員の国会質疑シリーズ】
このシリーズは、日本の税制・財政が
検証されない前提仮説のまま30年間運営されてきた構造を整理する。
・消費税や財政破綻論を、賛否や思想ではなく
前提と設計の問題として捉え直す視点を示す。
・塩入議員の国会質疑①日本の税制は「検証されない前提」で
設計されてきたのか?露わになった30年のブラックボックス
