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ワールドカップ2026観戦記62/104【ベルギー×アメリカ】史上最もエキサイティングな大会は、権力者の介入により汚された

3₋1でベルギーが勝ってよかった。心からそう思っている。別にアメリカが嫌いなわけではない。むしろ、パラグアイを4₋1で退けた初戦の即時奪回とショートカウンターの精度は好感が持てた。

だからこそ、なおさら残念だ。彼らだけが、「優遇」されてしまったことが。

FIFAは前の試合、ボスニアヘルツェゴビナ戦でレッドカードを提示された、アメリカのバログンの出場停止に1年間の執行猶予を与えた。異例中の異例である。

ただし、前例はある。それが後ろ盾となったか。その昔、1962年のチリ大会、ブラジル代表セレソンのヒーロー、「独特のリズムを唱えるドリブラー」ガリンシャは決勝への出場を免除された。

対戦相手のチェコスロバキアはたまったものではない。現にガリンシャの活躍により優勝を逃している。政治的介入は異例だが、前例がないわけではなかったことに2度驚いた。

今回、大会を汚したのは、もちろん、そう共同開催国アメリカの大統領のドナルド・トランプだ。身勝手な理由での介入により、イラン国内を混乱させただけでは飽き足らず、今度は自国が有利になるようにスポーツに手を出した。

イラン国内に迷惑をかけたことに加え、ワールドカップに出場したイラン代表への移動の際の不当な扱いなど、目に余る暴挙を繰り返す。まさに暴君。でも、誰も止められない。

フェアが土台にあるサッカーの、そのルールさえ変えてみせる。持たせてはいけない人間に権力を持たせるとどうなるか。ネガティブなサンプルの典型が、トランプだ。

初の3か国共催となった今回のワールドカップは、各国のストライカーたちがゴールを決める、稀に見るエンターテイメントに満ちた大会だった。感動と興奮を削ぐことは、トランプであろうとインファンティノFIFA会長であろうと、許されるはずがない。

さて、意図せずアドバンテージを得たアメリカだが、どこか気まずそうで、だからベルギーに押し込まれ、早々に失点を喫した。彼らも心の底ではやりにくかったはずだ。

ホームアドバンテージを受けられるスタジアムの視線よりも、世界中から向けられる批判的な眼差しに耐えられなかったのだろう。終始、持ち味のダイナミズムは鳴りを潜めた。

対するベルギーは、大袈裟ではなく、サッカー界の思いを一身に背負うカタチになった。負ければ権力に屈することになる。それだけは断固として阻止しなければならない。セネガルを2‐0から3‐2でやっつけた勢いそのままに、覇気のないアメリカを飲み込んだ。

連続ゴールで優位に試合を運び、3点目はミスからゴール。ああ、サッカーの神は見ている。彼は平等なのだ。アンフェアは罰せられた。カタルシスを覚えた。繰り返すが、アメリカが嫌いなわけではない。

締めのルカクのゴールも、緩慢なクリアが起点となっている。えこひいきされることなく、バログンを欠いた状態で戦った方が、もしかするとアメリカはリラックスしてプレーできたかもしれない。

面白ければなんでもいい。そんなはずはない。エンターテイメントの国にも明確なルールは存在するはずだ。アンフェアな人間は、舞台に立ってはいけない。アメリカの敗戦は必然だった。

権力者たちよ、お願いだ。今後一切、スポーツに介入しないでくれ。その手でスポーツを汚す権利は、あなた方にはない。

思いのままに。続けます。今日も呼吸ができた。ありがとう!


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