自分カワイイ200%。あなたを有権者は許さない『天国と地獄』

自分が、カワイイ。エゴ満載。反省などしていない。
でも、それが河井あんり。彼女が、そのまま文章に表れている。
河井あんりは、2019年の大規模選挙買収事件で有罪判決・失職へ追い込まれた。
当事者である河井あんりと、夫の河井克行について、河井あんり本人が綴った本書は、自民政治の汚さ、我々の税金の無駄、浮世離れした慣習が、これでもかと「素直」に描かれている。その点だけは褒められるべきだろう。
そもそも政治家同士の氷代(夏)と餅代(冬)などは不要。無駄でしかない。しかし河井あんりは慣習なので当たり前だと考えている。適法だからと相場が50万~100万円の氷代、餅代をホイホイと配る。信じ難い。
いまだに50億円をネコババして返さない二階俊博の派閥だったのだから、金銭感覚がバグるのも致し方なしか。「政界の妖怪」のもとで政治活動をすれば金塗れになる。実際、塗れて逮捕され、議員辞職に追い込まれる。
滑稽でしかない。二階は広報用の新聞制作費として1億5000万円をポンと河井あんりに差し出す。異常だ。
とにかく、かね、カネ、金。国のために使う官房機密費さえ選挙に使う政党、自民党は現在進行形で腐敗の度合を増している。最近ではYouTubeでの世論誘導に心血を注ぐ。総裁は被災地訪問すら自己PRの道具にする。困ったもんだ。開いた口が塞がらない。
話題を戻す。選挙買収の首謀者は、夫のパワハラ克行(妻へのパワハラに加え、事務所スタッフにも高圧的だった)だが、あんりも関与していないとは言い切れないだろう。ところが、本書では知らぬ存ぜぬを貫く。選挙の多忙さを理由に逃げ回る。
どこまでも、自分がカワイイ。
そもそも序盤で河井家に嫁ぎ、姑からのいびりを描くあたり、同情を誘う気満々だ。苦難を支えた支援者。奮起するあんり。うんざりである。
最終盤に驚愕の事実。河井あんりの慶応義塾大学の恩師は、巨悪・竹中平蔵だった。稀代のワルのすすめで本書を書いたという。なるほど、内容が自己弁護になるはずだ。全てがつながりゾッとした。
ここにも竹中平蔵。金の臭いしかしない。
夫婦で逮捕され、そこで絆が深まり、本当の「夫婦」になる物語も描かれるが、だからどうした、という感想しかない。拘置所、刑務所に通う、いたいけなあんりを見て、同情して、なんなら涙して。
セルフプロデュースが凄い。
きっとほとぼりが冷めたら夫婦で選挙に出馬するのだろうが、一度汚れた人間を再び政治の場に戻してはいけない典型。あんり自身の知識と経験の乏しさが、逮捕につながったと書くところに反省の色は伺えない。
有権者は騙されてはいけない。
