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「おにぎりって、なぜおいしいのだろう」 #マスクドnote企画 _16


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おにぎりって、なぜおいしいのだろう。
普通にお茶碗にごはんを盛って梅干しをのせて食べるより、ごはんをおにぎりのカタチにして中に梅干しを入れて食べた方が、絶対においしい。

もしかして味が変化しているのかな。
あるいは、食べる時のシチュエーションの問題かな。
それとも単純に気持ちの問題かな。


実は、この「おにぎり、なぜかおいしい問題」を解決するためのヒントを見つけてしまった。

それは、作家太宰治がその代表作ともいえる「斜陽」の中に書いたこの言葉だ。


「おむすびがどうしておいしいのか、知っていますか。あれはね、人間の指で、握りしめて作るからですよ。」

おにぎりの素晴らしさがこの50文字にも満たない言葉の中で表現されている。
そうなのだ。おにぎりは、人の手から人の手へ渡っていく食べ物。
その中には、美味しさだけでなく作り手や食べ手の想いも入っている。
だからおいしいのかもしれない。


さらには、食文化研究者の吉川誠次さんがおにぎりのおいしさについて、このように解説してくれている。

食べ物のおいしさを左右する特性には、化学的な性質である呈味(ていみ)成分と香気成分と、物理的な性質を左右するテクスチャーという触覚に関係する性質がある。

おむすびは携行食糧として、箸がなくても指先の触覚と咀嚼の際に、口腔で知覚する付着性と凝集性と固さのバランスの微妙さを、味わい分けて楽しむ感覚は、米の飯粒の破砕と粘着の度合いによって、団子・ちまき・おはぎ・おむすび・にぎりずしと、それぞれの食味としてとらえるのである。指先の感覚を、楽しむのは、アラブ・インドなどの食文化にも共通する。

食文化論より

なるほどなあ。おにぎりの美味しさを多角的に表現されている。シンプルにいうと手で持つという感覚が味に加わって、「おいしい」という感覚を得られているようだ。

たしかにそうだ。
おにぎりは「味覚」や「触覚」「嗅覚」の他にも、その色やカタチを味わう「視覚」だったり、食べるときの咀嚼音も楽しむ「聴覚」だって味わえる。五感で楽しめるワンダーな食べものなのだ。

こんなことを書いていたら、お腹がどんどん減ってきた。ぐぅ。

いっただきまーす!

梅おにぎりを手に取り、一気にがぶりついた。
すっぱーい。
つぼんだ口が星のカタチになる。

でも、これがいい。
梅干の酸味がお米や海苔の味わいを膨らませ、自分の食欲も増幅させていく。

最後は指についた米粒をぺろり。
ふう。

ご馳走たまでした。





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