具は中にあるのが粋だよ #マスクドnote企画_3

文章というものは、おにぎりに似ていると、ある日突然思った。
そう、なんというか、雑に例えるなら「ごはんを握っただけなのに、ちゃんとごちそう」ってところが、だ。
おにぎりって、構造がシンプルなのに奥が深い。
まず、握りがゆるすぎると食べる前にボロボロ崩壊するし、きつく握りすぎると「気合いがすぎる体育会系」みたいで、顎が筋肉痛になりそうになる。
文章もそう。構成を詰めすぎると読者が息切れするし、ゆるすぎると何も残らない。
一番うまいおにぎりは、コンビニでもチェーン店でもなく、おばあちゃんが握ってくれたやつ。
あの絶妙な塩加減。ふんわりと握られていて、でもちゃんと形は保たれていて、中には梅干しやらタラコやらが、すんと入っている。
つまり文章も、おにぎりのように「ちゃんと握ってるけど、ふわっとしてる」が理想なのではないかと。
伝えたいこと(具)を真ん中に置き、でもあえて見せびらかさず、ごはん(言葉)でくるんで、読者に「お?」と気づかせる。
ほら、いますよね。「わたし、いまタラコって言いましたよ!」みたいに全力で具を見せつけてくるおにぎり。
読んでいて「え、もうちょっと隠すか、包むかしようよ」って思うやつ。文章も同じ。
伝えたい主張をそのまま最初に置くと、読者の手は伸びない。ちょっとごはんで包んであげる。それが文章でいう展開だったり、比喩だったり、ユーモアだったりする。
あとね、海苔の話もしたいのよ。
あれ、読者との接点なんじゃないかと思うんですよ。いきなりごはんだけ掴むのはちょっと、って人にも、パリッとした海苔があれば「おっ、食べやすいな」ってなる。
文章でいうと、「導入」だったり「タイトル」だったり「書き手のキャラ」だったり。いきなり重たい内容でも、海苔がパリッとしていれば、読者は一口かじってくれる。
でもまあ、海苔がしなしなでも、ちゃんと中身がうまければ、最後まで食べてくれるんだけどね。
文章もそうで、「読みやすい」より「うまい」が勝つときがある。
結局、何が言いたいかというと、
文章って、おにぎりなんですよ(何度目だ)。
構成、テンポ、言葉の塩加減、そして何より、中心に「読者が食べたくなる具」を仕込めるかどうか。
冷たくても、持ち運びできても、どこでも食べられても。やっぱり、人が惹かれるのは、誰かが心を込めて握った文章。
きれいな言葉より、
あたたかさ。うまさ。人間味。
そんなことを考えながら、今日も私は小さなおにぎりを握る。誰かが一口で「お、うまいじゃん」と思ってくれるような、そんな文章を。
▼企画概要はこちら
▼他の皆様の作品は下記マガジンで読めます
いいなと思ったら応援しよう!
本田すのうは皆様からのご支援で活動を続けています。