おにぎりを否定する~おにぎり経済史~ #マスクドnote企画_8

もしも、おにぎりが通貨だったら。
一番最初はシンプルに、お米の量で価値が決まったはずだ。大きいは正義。古代おにぎり時代だ。
そこへおにぎり革命、コメッサンスが起きた。
そう、具の登場だ。
塩、梅、こんぶ、いくら、鮭ハラス……。
ここで困ったことが起きた。
具の価値は、好みによって変わる。
とくに、梅とこんぶはどちらが価値があるのか、なかなか決着が付かず、300年ほど、梅派とこんぶ派が争う、戦穀時代が続いた。
結局、両者引き分けとなり、ツナマヨもまとめて同じ価値として流通することで落ち着いた。
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戦穀時代に、江戸で派手に稼いでいたのが越後屋だった。越後屋は、その財力を巧みに使い、国の中枢に食い込んでいった。
『袖の下』なんて言葉があるが、実際に越後屋は悪代官にワイロを渡していたらしい。「おぬしも悪よのう」と口角を上げた悪代官の袖は、ごはんつぶだらけだっただろう。
ちなみに現代の危険な取引では、アタッシュケースの中にギッシリおにぎりだ。裏世界ではアタッシュケースのことを、隠語で『お弁当箱』と呼ぶ。
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近代になり、おにぎりは犯罪に巻き込まれることが増えた。
おにぎりと思ってよく見たら、小さく丸めた小麦だった、いわゆる『ニセおにぎり事件』は特に被害が大きかった。国民が気付いた時には、既に東京中のおにぎりの半分が小麦になっていた。
またある時は、大量のおにぎりを積んだ、おにぎり輸送車が襲撃された。犯人は警察を装い、白バイでトラックに近づくと「爆弾が仕掛けられているから車から降りて」と指示を出した。
トラックの下からは、犯人が仕掛けた発煙筒の煙がモクモクと出ており、運転手は慌ててトラックを飛び出した。
その隙に、犯人は、大量のおにぎりを持って走り去ってしまったのだ。これが、かの有名な『3億米事件』として、今もおにぎり犯罪史に語り継がれている。
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近年、一番困っているのは米不足だ。
米がなければ、おにぎりは作れない。
強烈なデフレが起きて、経済は停滞してしまった。
優秀な経済学者たちは、打開策を練るべく、皆で集まって議論する。
頭を使うとお腹が減る。
我慢できずに、皆、貴重なおにぎりにかぶりついた。皆で仲良くおにぎりを頬張っていると、経済学者の1人がポツリと言った。
「おにぎりじゃなくて、パンにしようか」
次の日から、パンが通貨になった。
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