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ある夏、公園で。 #マスクドnote企画 _2

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「ご飯も炊いていないのに、どうやって作るのよ」

咎める声がする。まあ、そう来るだろうな、分かっていたよ。でも大丈夫、僕に任せておけ。

「なぁに?その根拠のない自信満々。どうせコンビニで買ったってオチなんでしょ?」

ふふふ。そう言うと思っていたよ。まずは仕上げをご覧じろ、ってヤツさ。

笑いを浮かべながら台所へと向かう。後ろで妻が呆れた顔をして溜息を付いているのを感じる。いいさ、それで。お昼になったら、僕が言っていることが間違いじゃないと分かるだろうから。

花の季節は疾とうに過ぎ、公園の樹々きぎは、緑濃くその枝を茂らせる。正午前の日差しはギラギラと、歩く地面と肌を焼くようだ。こんな季節に公園でお弁当を食べるなんてもの好きな、そう君がつぶやいた。

12時を少し回った頃、公園へと辿り着いた。緑の芝が茂る少し奥まった場所に、大きな樫の木がある。僕たちは並んでそこに腰を下ろした。

芝生の上に拡げたシートの端が、吹いてきた風にあおられてパタパタと揺れている。樫の木の枝は厚い緑が茂り、その根元に座るものに心地よい日陰を作ってくれていた。

案外悪くないものね、気持ちいい。

君がそう呟いた。
ほら、言ったとおりだろう?心配いらないって。

「心配なんてしていないわよ。そろそろお昼にしましょうか。結局、おかずを作ったのは私なんだけどね」

バスケットから今日の昼食を入れたボックスを取り出しながら、君はそう言った。さて、これからが本番だ。僕は頷いて、紙コップに二人分の麦茶を注ぐ。そして今朝仕込んだ「アレ」を取り出して、君に勧めた。

「あれ……?美味しい。冷やご飯をレンジで温めて、ふりかけ混ぜただけなのに。こんなに美味しいんだ」

意外。ちょっと不服そうに君が言う。

そうかもしれないな。炊きたてご飯を、手が熱いのに耐えつつ綺麗に握る君のおにぎりはいつも最高だよ。でも、こういうのも悪くないじゃないか。

「……降参。緑の効果って凄い。たまには外でランチも悪くないわ、確かに」

僕の手抜きおにぎりをほうばりながら、君はそういって笑った。



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