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空に線を引くならば #白のエッセイ

歳を重ねると美しいと思うものが変わりゆくという。

花の美しさを本当の意味で知ることが出来るのはまだ先かもしれないけれど、最近は空を見て思わず足を止める日も出てきた。


いつかの保育園の帰り道、空に大きなくじらが現れて、教科書をまるまる読み聞かせてくれた。子どもの頃に大好きだったお話。大人になってから長男二男が毎日のように音読していたから、すっかり覚えてしまっていた。

私の足元にいる3人目の息子も、いつの日かくじら雲に向かって「イチ、ニ、サン!」と叫ぶ日が来るのだろうか。


長男が鳥好きなのもあって、鳥の声がするとすぐに電線や電柱を探す癖がついた。あの影は鳩かヒヨドリか。この声はジョウビタキか、はたまた自転車のブレーキ音か。


その日もいつものように確か鳥の声がして、空を見上げた。私の一番好きな色、水色。目の前いっぱいの水色。それとあと。


白い線。


飛行機雲かな、と思った。
でも違かった。クレヨンみたいな白い線じゃなくて、ポスカでひいたみたいな、白い線。もっと近くに、雲と見間違えそうな白い線。


初めて見るそれは、白い電線だった。


縦に走る黒い電線


その奥に、よく見ると白い電線が7本も


空がもしも画用紙だとしたら、そこにギーギーひくのは黒い線じゃなくて白い線の方がいいんじゃないかと、誰かが思ったのかな。白い電線はよーく見ないと見えないくらい、空に溶け込んでいた。


もしも黒い線の後ろをくじら雲が通ったら、捕まったみたいに見えちゃうかもしれないなと思った。

でも白い線の後ろなら、電線の上を波みたいに泳げるかもしれない。

口をぱかーっと開けながら空を見て歩いているうちに、黒い線と白い線が交互にひかれている空があった。しまうまみたいに。


この後ろをくじら雲が通ったら、しましまくじらになるなーなんて頭の中がふわふわして楽しい。


「しましまくじら」とつい呟いたら、三男が「どこ!?くじらどこ?」ときょろきょろしていた。


🐳☁️


#白のエッセイ
#紅白記事合戦2024

すまスパのみなさま、楽しい企画をありがとうございます✨白のエッセイです。



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