アマノ文筆クラブ「現金な奴」
アマノ文筆クラブの企画参加作品
現金な奴
今月、車の税金を払わないといけない。
いくらやったかな……うん、10万円くらい。
「ふーん。」
去年は「俺が出しとこうか」と言っていた旦那。今年は何も言わない。
――言わんのかい。
私は心の中で、ぶちっとつぶやいた。
ある日の夕食時。
テレビでディズニーランドのアトラクション特集をしていた。
「あー、一生に一回くらい、ディズニーランド行ってみたいなぁ。」
私がぽつりと言うと、旦那が突然、
「姉ちゃんと行ってくれば? お金は俺が出すから。」
と言った。
その瞬間、私の顔は急に電気がついたみたいに明るくなったと思う。
――現金な奴やと思われたやろな。
いや、もうとっくに“現金な奴”なのはバレている。
今はその上書きの最中である。
次の日。
姉の家で昼ご飯を食べながら、私は昨日の出来事を話した。
「昨日な、旦那にディズニーランド行きたいって言うたら、“姉ちゃんと行ってきたらいい。お金は出すから”って言ってたよ。」
「ほんま!?」
姉は身を乗り出した。
そして、すかさずスマホを取り出し、
「もう一回言わせて。録音しとき。」
と言った。
……もう、姉妹そろって現金な奴でした。
おわり

アマノ文筆クラブのお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
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