アマノ文筆クラブ「恋する女は嫌いだ」
アマノ文筆クラブの企画参加作品
あいつまたフラれたんだな、泣きはらした目をサングラスで
隠しても俺にはわかっちまうのに。
「なぁ、今夜飲みに行かないか?」
「あ、ごめん先約があって。」
誰と行くんや、俺はなぐさめようと思って誘ったのに
もう、先約がいるのか。
だから恋する女は嫌いだ。
俺はいつもの行きつけのパブに行った。
金曜日の夜、店の中はカップルが多い。
ナンパ目当てのヤツも一定数はいるようだ。
あ、かわい子ちゃんがいる。
声をかけようと近づくと、隣で話声。
聞いたことのある声。
あいつが町のごろつきに絡まれてる。
おー、こわい。
見て見ぬふりをして立ち去ろうとすると、
服をひっぱるあいつがいた。
目が助けてと訴えている。
俺は関わり合いになりたくなかったから手を振り払おうと
した。
あいつはもっと強く服を引っ張った。
ごろつきは、
「お前の知り合いか?」
「あ、まぁな。」
「今日は俺が先に手を出したんだ、悪いが他を当たってくれ。」
「そうですか、と言いたいんですがね。こいつが
寄りを戻したいていうから、今夜は俺が連れていきます。」
「俺に恥をかかせるつもりか。」
「恥なんて、あんたの生き方そのものが恥じなんじゃ…」
おれはあいつの手をきつく握って店を飛び出した。
後ろで、罵声を浴びせる声が聞こえる。
コンビニに逃げ込んだ俺たちは息を切らせながら、大笑いした。
「ありがとう、助けてくれて。」
「まぁ、たまたまな。」
「ねぇ、あんたよく見るといい男じゃない。」
あいつの目にハートがみえた。
恋する女は嫌いだ、そうつぶやき、
「今頃、気づくかよ。」
俺たちは夜の街を歩いて帰った。

アマノ文筆のお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします😊これからも続けていく”未来の種”になります。よろしくお願いします。(❁´◡`❁)