初詣
シロクマ文芸部の企画参加作品
まえがき
お正月らしいことを、
きっちりやらなくてもいい。
そんなふうに思いながら、
それでも、心のどこかに残っている景色がある。
本文
お正月は、どこも初詣はいっぱいだね。
小学生の息子が言った。
でも、
「僕、太宰府天満宮に行きたい」
そんな、多いから行かれないわよ。
「じゃ、いつ行くの?」
少なくなった頃。
多分、二月頃。
「それじゃ、お正月じゃないよ」
じゃ、あんたのお正月の締め切りは?
「うーん、一月中だよ」
お父さん、
一月中に太宰府天満宮に行きましょうか?
……聞こえてないふりをしている。
第三日曜日。
朝早くに家を出た私たち家族は、
太宰府天満宮に向かった。
時折ちらつく小雪を見ながら、
目的地に着く。
まだ早い時間だったので、
境内までの道はすいていた。
お参りを済ませ、
梅ヶ枝餅を買い、
また車に乗った。
昼ご飯は、長浜ラーメン。
それで、
私たちの初詣は終わった。
「僕たち、観光もしないから、
家に帰ってくるの早いね」
ふふっ。
息子と、私だけが笑った。
今年の太宰府天満宮も、
たくさんの参拝客でにぎわっている。
今年こそ、初詣行かなきゃ。
そう、はっぱをかけてくれた
息子の言葉が、今は懐かしい。

あとがき
締め切りがあったから、
行けた初詣。
にぎやかさよりも、
静かな時間のほうが、
ずっと心に残っている。
そんなお正月も、
悪くなかったなと思う。
シロクマ文芸部のお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
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