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闇夜の投票箱

毎週ショートショートnoteの企画参加作品

まえがき

参政権。
それは、人間のもの。
……のはずでした。

けれど、ある夜、
ラジオから聞こえてきたのは、
どうにも聞き捨てならん話。

ここは闇市。
売られているのは、
正義か、毒か、それとも言葉か。


本文

ここはコブラを売り買いする闇市。

ラジオから国会中継が流れ、
壇上によじ登り、誰かが叫んでいる。

「コブラは闇の世界でしか生きられへん。
誰がしたんや、この世は不公平や。
あんたら、政治家が、不公平を作ったんじゃ。

反省ばかり口にせんと、
身を切る改革を、あんたらが自ら示しなはれ。

わては、ここに宣言する。
コブラ参政権を掲げるさかい、
話をよーく、きいとけ。」

あー、警備員に囲まれました。

あちらこちらで、悲鳴があがります。
コブラです。

皆さん、
国会議事堂にコブラがいます。

ぴー……ぴーーー……

あら、もう聞こえへん。
どないなったんでしょう。

「なぁ、コブラ参政権て言うてたけど、知ってます?」
「知らんがな、そげなもん。」

「わてらにとって大事なんは、
明日のご飯が食べれるか、でんがな。」

「そやな。
ほいでも、少し勉強した方がええんちゃいますのん。」

「そんなもん、知らんがな。」

おしまい。(380字)


イラスト:ChatGPT

あとがき

参政権があっても、
毒があっても、
腹が減ったら、生きていかれへん。

正しい言葉が飛び交うほど、
わてらの足元は、
いつも同じ場所にあります。

コブラの話か、
人間の話か。

……それも、
よう分かりまへん。
※この物語はフィクションです。

毎週ショートショートnoteのお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。


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